様似海岸エリア
地形・地質Geological Site
C3
エンルム岬
エンルム岬の展望台からは、天気が良ければアポイ山塊(アポイ岳~ピンネシリ)と様似の街並み、遠くは日高山脈の脊梁や襟裳岬を一望することができます。
アポイ山塊は、地下深いマントル(地球をゆで卵に例えると白身の部分)が地表に現れた「かんらん岩」の山です。約1300万年前、東側の北米プレートがこの場所でユーラシアプレートとぶつかりめくり上がってつくられたと考えられています。壮大な地球の動きによってアポイ岳はここにあるのです。火星に探査機を送るほどの科学技術をもつ人類にとって、マントルはいまだたどり着けない未知の世界。アポイ岳は、その未知の世界を垣間見ることのできる世界的にも貴重な場所なのです。
ところでこのエンルム岬は、もともとは島だったものが陸地との間に砂がたまって陸続きとなった「陸繋島」。海に突き出ているため、船の停泊に都合がよく、古くから港として栄え、そのことが今の様似の発展につながりました。
岬の裏側の崖にはマグマが冷えて固まった「節理」があり、一見の価値あり。夏であれば、その下に天日干しされる日高昆布とのコントラストもおもしろい。