新富エリア
地形・地質Geological Site
E4
松岡沢の石灰岩ブロック
看板横のゲートをくぐって100mほど道なりに上ると、採掘を終えた石灰岩の露頭があります。ベンチ状に掘られた黒色~暗灰色の地層は砂岩や泥岩ですが、その中に白っぽい石灰岩のブロック状のかたまりが散らばっているのが見て取れるはずです。こうした産状は、E2と同様、さまざまな種類の岩石が混じり合った「メランジュ」構造の典型です。
ところで、E1でも説明したように、石灰岩ははるか南の海からプレートに乗ってやってきましたが、はたしてどのぐらいの年月をかけて来たのでしょう。太平洋プレートは年間約10㎝の速度で移動しています。例えば、ハワイと日本との距離は約6,400km。ハワイのサンゴが石灰岩となって日本まで来るには、640,000,000㎝÷10㎝/年=64,000,000年。つまり6,400万年かかるのです。気の遠くなるような年月ですよね。
ちなみに、ここの石灰岩で化石は見つかっていませんが、近くにある同じ地層の石灰岩からは、約2億年前に生息していたヤツメウナギのような生物の化石(コノドント)が見つかっています。