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2012年07月09日

東京からお越しのジオツアーご一行をお出迎え...

1週間のご無沙汰、申し訳ありません。更新頻度が日ごと落ちている今日この頃。ご愛読いただいている皆様、何とか盛り返しますので、どうぞ愛想付かずに今後もお付き合いのほどよろしくお願いします。

さて、今日は、はるばる東京よりアポイ岳ジオパークにお立ち寄りいただいた御一行をご案内させていただきました。

パミス会ツアーかんらん岩広.jpg

一行は、早稲田大学の生涯学習講座「パミス会」のみなさま。中部北海道巡検と銘打ち、千歳~様似~襟裳~糠平~層雲峡~旭川~天人峡~旭岳~神居古潭~滝川~千歳と、4日間かけてぐるっと1周するジオツアーです。

パミス会ツアー町田先生.jpg

一行を案内しているのは、同講座講師の町田洋先生(東京都立大学名誉教授)。実は町田先生は、日本のジオパークを審査する日本ジオパーク委員会(JGC)の副委員長でもあるのです。ワタクシ、かなり緊張したためシドロモドロの解説でしたが、先生はじめ参加のみなさまは温かい目で見守ってくれて助かりました。

また、一行には去年東京からのジオツアーで様似町を訪れていただいた二人のご婦人(HさんとSさん)も加わっていて、久闊を交わすことができました。リピートしてくれるのは、本当にうれしいかぎりです。

今日は、夕方遅くの様似入りとなったため、エンルムとかんらん岩広場だけの案内となりましたが、明朝はビジターセンターや耶馬渓などをご案内してお別れする予定です。

南健雄-展-A3.jpg

ところで、わがまちのアーティスト・南健雄さんの作品展が、浦河町のCafe・ガーデンソングで開かれるとのこと。ぜひとも、足をお運びください。ただし、カフェですのでワンオーダーをよろしくお願いします。南さんは様似の一大イベント・アポイの火まつりのポスターも毎年製作いただいているのですが、その火まつりもあと1カ月を切りました。近く当HPでもイベント情報でアップしますので、ご確認を…。(タク)

2012年07月03日

様似中1年生の「アポイ岳ジオパークで様似再発見」その2 エンルム岬編

 様似中学校1年生総合学習「様似再発見」、エンルム岬班(3班)7名と一緒に勉強してきました。

 

前回の総合学習でエンルム岬に行きましたが、

さらに興味を持って「エンルム岬」を追加調査地に選んでくれたようです。

・エンルム岬の裏側には行ったことがない。

・エンルム岬の植物に興味があった。

・山側に住んでいるので、エンルム岬に行く機会は少ない。

 

 

かんらん岩広場で、かんらん岩を観察してから、

エンルム岬へ自転車で出発!!

快晴!!様似も夏らしくなってきました。

0703エンルム自転車.gif

 

エンルム岬の展望台まで登りました。

山頂のチャシ跡にて、剣をめぐるアイヌの話をしました。

0703エンルム植物.gif

エンルム岬には高山植物・海岸植物など200種類くらい報告されています。

 

「遭難 慰霊碑」「無縁供養塔」「神社」「テレビ中継局」など

エンルム岬は、色々なものがあります。

まだまだ眠っている、エンルム岬をめぐる物語がありそう。

0703エンルム神社.gif

 

エンルム岬の裏側は、「波食台」になっているので、多くの海の動物が生息しています。

私は、探検のようでワクワクします。

エンルム岬の裏側に行くと、ひん岩の板状の割れ目が迫力のある景観をつくっています。

0703エンルム裏.gif

  貝・カニ、皆さん生物を見つけるのが上手です。

 

もう一度同じ場所を回ったので、見方が深まりましたか?

様似再発見のヒントは見つかったでしょうか?

(ジオミ)

2012年07月03日

様似中1年生の「アポイ岳ジオパークで様似再発見」その2 幌満峡編

6/12の当ブログでご紹介したとおり、様似中学校1年生は今年、総合学習でジオパークを通じた「様似再発見」に取り組んでいます。

前回ジオサイト巡りで全体的なストーリーを学んだ生徒たちですが、今日は自分たちでさらにテーマを絞り込み、類似したテーマの数人からなる班で再度の現地学習です。私も6人の幌満探検隊グループに同行させてもらいました。

120703ダム説明.jpg

まずは幌満ダム(第3発電所堰堤)に向かい、日本電工の高橋課長から水力発電の仕組みを説明いただいたあと、いよいよダム施設の見学です。

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いつもは入れない堰堤を渡って対岸へ。

120703堰堤3.jpg

堰堤の上からの眺めはこんな感じ。こういう機会がないと見られない絶景です。

120703取水口.jpg

生徒たちが恐る恐る覗き込んでいるのは、ダムに貯めた水を発電所へ送る地下トンネルの入口、取水口です。

120703発電所.jpg

次に向かったのは、その地下トンネルを通った水の出口、すなわち発電所です。轟音を立てながら回り、今まさに目の前で電気を起こしている発電機に生徒たちも興味深々。

120703稲荷鳥居.jpg

次の訪問地は幌満川稲荷神社。日本電工の前身会社とその従業員によって昭和11年に建立された神社です。6人の生徒は全員ここに来るのは初めてだそう。

120703稲荷お参り.jpg

しっかりお賽銭を入れて、お願いするのは勉強のこと?部活のこと?それとも…

120703プラント外.jpg

さて、神社の下流にあるキタゴヨウの自生地(国の天然記念物)を見た後に向かったのは、最後の訪問地、東邦オリビン工業のプラント。同社の石井次長から昨年新設された施設についてレクチャーを受けた後、写真上部に見えるトンネルの中へ。

120703ベルト内.jpg

そこは、程よいサイズに砕かれたかんらん岩が採石場からプラントへと運ばれてくるベルトコンベアでした。粉じんを周囲にまき散らさないようにするため、トンネルの中を通しているそうです。

120703オリビン室内.jpg

そして、製品のオリビンサンドや砂利の実物を見ながらの、横見所長のレクチャーです。「どうしてサンドの粒が小さくなるほど色が白くなっていくのですか?」なんて鋭い質問も出ていましたよ。

120703オリビン看板.jpg

最後に、同社のかんらん岩の看板の前でパチリで午前中一杯を使った現地学習は終了。

 

プレートの衝突という壮大な地球活動によってもたらされたかんらん岩と自分たちの今の暮らしを結ぶ物語の現場を訪ねる小旅行を楽しんだみんなは、いったい何を感じ、何をつかんだのでしょうか。

(krmd)

2012年07月02日

合言葉は「さまに~」!サマースクールin様似大成功

世界各国の若手研究者が集まって行われた、北大サマースクール。様似での3日目は昆布漁見学です。いくつかのグループに分かれて冬島漁港から昆布の生育状況を視察。

サマースクール出航.jpg

船に乗りきれないグループは、漁港近くの昆布漁家・泉さんの納屋へ…。

サマースクール納屋.jpg

泉さんから昆布を出荷するまでの作業などについて説明を受けました。通訳には、北大で昆布を研究している四ッ倉准教授とアリが担当。研究者たちからは、等級や価格、流通の仕組みなどについての質問がたくさん出されました。

サマースクール泉宅.jpg

受け答える泉さんも、遠い外国の若者が興味を持って接してくれることに感激した様子でした。

そして次に向かったのは、様似市街。着いたところでこんな物をかぶせられたのですが、さてどこでしょうか?

サマースクール衛生キャップ.jpg

実は、地元で昆布の加工品を製造販売しているマルエー商事さん。採った昆布のその後を見学というわけです。

サマースクールマルエー.jpg

作業場におじゃまさせていただき、昆布の梱包作業や加工の様子を拝見。

サマースクール昆布梱包.jpg

ロシアから参加したアナスタシアさんは、実際に袋詰め作業に挑戦。自らつくった早煮昆布はマルエーさんのご厚意で彼女へのプレゼントとなりました。

サマースクール等樹院昼食.jpg

そして昼食。等澍院さんの境内をお借りして、青空の下でのお弁当です。

サマースクール等樹院野立て.jpg

しかも住職さんのご厚意で、野立てが用意され、お抹茶のサービスも…。

サマースクール茶筅.jpg

お茶立てにもチャレンジするなど、思いがけず日本の文化に触れることができ大ウケでした。住職、副住職、若奥様、池田さんありがとうございました。

サマースクール等樹院前.jpg

そしてお昼からはアポイ山麓のポンサヌシベツ川で河川の水質に関するレクチャー。そちらの方はワタクシ都合でお付き合いできませんでしたが、夜に行われた歓迎交流会におじゃまさせていただきました。

サマースクール発表.jpg

会場では、交流会の前にグループごとにとりまとめた様似町への提言が発表され、多様な自然環境が強みである一方で、経済活動が小さいこと、地理的不利などの弱みをどう克服していくかにさまざまな意見が出されていました。

サマースクール乾杯.jpg

そして、発表の後は、坂下町長による乾杯。フィールド調査にご協力いただいた泉さんやイチゴ農家の菊地さん、小田さんも駆けつけてくれて大盛況。研究者たちの発表を受けての町側出席者からの感想も一人ひとり披露され、皆、アリの助けを借りて(一部の人は助けを借りず)、研究者たちへの労をねぎらっていました。

サマースクール交流会2.jpg

一行は、翌日かんらん岩広場に立ち寄って帰札。さらに北大で、今回の研修を総括して解散となったとのこと。

参加者の国籍は、アメリカ・フランス・ネパール・インド・インドネシア・ジャマイカ・中国・ロシアなどさまざま。世界中から集まってきてくれた彼らはきっと「SAMANI」の名前をしっかりと記憶に留めてくれたはずです。

なぜかって?それは、ブログでもたくさん紹介した記念撮影写真。その時の合言葉は「チーズ」ではなく、常に「さま~に~」だったからです。(タク)

2012年06月29日

アポイの上で考えた自然-社会のつながりと持続可能性

一昨日の当ブログ記事で報告したように、現在、様似町を会場に北大サマースクールが開催されていますが、昨日6/28はアポイ岳に登ってのフィールドセッションでした。

120628登山口新井田.jpg

登山口では、アポイ岳を知りつくした新井田先生が登山中にヒグマに遭った場合の対処方法をレクチャー。「絶対走るな。目をそらすな。グループで動け。」といった先生からのアドバイスに、中にはかなり怯えた様子の外国人も。

120628熊鈴.jpg

先生に脅かされた?外国人たちは、登山道の随所にあるクマ鐘をさかんにガンガン鳴らしながら登っていきます。このとき私は「先生は必要以上に脅かしちゃって」なんて思いながら聞いていたのですが・・・

1206285合目新井田.jpg

さて、今日は単なる登山ではなく、研究者たちのフィールドセッションですから、随所でレクチャーや討論が行われます。5合目山小屋そばにあるかんらん岩の露頭では、新井田先生が幌満かんらん岩体で見られる多様なかんらん岩タイプとその生成要因などについて解説(たぶん。だって全部英語なんだもん)。

120628登山風景.jpg

さて、今日のアポイ岳は天気良すぎ。昼近くには気温もぐんぐん上がり、森林限界を過ぎた7合目から上は刺すような直射日光が容赦なく照りつけ、みんなぐったり。それでもなんとか全員無事に頂上制覇でした。

120628幌満お花畑.jpg

頂上でお昼を食べた後は、幌満お花畑で討論。北大の東先生から「ここは『お花畑』という名前が付いているのにほとんど花がないよね?」という問いかけに始まり、盗掘や地球温暖化というアポイ岳が辿ってきた歴史の解説を経て、いよいよ「自然-社会のつながりと持続可能性、人間と自然我々人間になにができるか、なにをすべきか」の討論開始。登山中はみんな結構おちゃらけているのですが、そこはやはりみんな研究者。地球温暖化のシステムとその抑止策(たぶん)や絶滅寸前のヒダカソウのクローン化の是非(たぶん)について熱く議論していました。


さて、実は我々がまだ山にいる最中、1合目の少し上で別の登山グループがヒグマを目撃したとの連絡が入りました。そんなこともあり、下山時は新井田先生の指導どおり、みんな固まって行動する良い子になっていました。

今後アポイ岳登山を予定されているみなさんへ。他の北海道の山同様、アポイ岳もヒグマの生息地です。単独行動は避ける、音を出しながら歩くなど、ヒグマとの遭遇を避ける基本的なルールをきちんと守って、安全登山をよろしくお願いいたします。
(krmd)

 

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