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2021年11月06日
虹と紅葉
10月23日、ビジターセンターに来館されたかたに、様似町内の現地案内をしました。全国のジオパーク巡りをされていて、大地と自然・歴史・産業のつながりにご関心があるとのことでしたので、「ビジターセンターで全体像を説明→プレート境界→幌満峡の渓谷→エンルム岬で漁業の話→新富の紅葉」と、アポイ岳ジオパーク全体をまわるフルコースにしてみました。
新富の紅葉がきれいだったとの感想、虹に出会えたことに驚かれていました。アポイ岳ジオパークを巡って他のジオパークとのつながりがわかったことが面白かったと感想をいただきました。
以下、秋の様似町内の様子と虹の話です。
サイト「新富チャート」の紅葉がちょうど見頃でした。
ちょうどサイト「吉田岳」付近に虹がかかっているタイミングでした(栄町にて撮影)
主虹と副虹をはじめて見ました。副虹は、サイト「アポイ岳~吉田岳間」のあたりにかかっています。(栄町旧石切り場にて撮影、アポイ山塊が見えます)
虹についてあまりよくわかっていなかったので、調べました。
*虹の色の順番が主虹と副虹は異なっています。主虹は外側が赤、内側が紫になっているのに対して、副虹は外側が紫、内側が赤となっており、色の順序がちょうど逆。
*水滴内の反射回数が1回多い副虹は、観察者方向へ返される光が主虹の場合よりも弱くなってしまうため、あまり鮮やかには見えないそうです。
*主虹と副虹に挟まれた中間の空は主虹の下側、あるいは副虹の上側の空よりも幾分暗く見えます。この暗い領域は「アレキサンダーの暗帯」と呼ばれるそうです。次は、この現象を確認してみたいです。(カ)
2021年10月22日
もうすぐ冬がやってきます-霜-
様似町の山は紅葉の景色ですが、朝は街場でも霜が降りています。
もう少し寒くなると畑の土で見られる「霜柱」が美しいと教えてもらいました。まだ写真に撮ったことがないので、もう少ししてから訪れてみようと思います。教えていただきありがとうございました。霜柱についてよくわかっていなかったので調べました。
*霜柱(しもばしら)とは、冬季など氷点下になる時に、地中の水分が毛細管現象(毛管現象)によって地表にしみ出して柱状に凍結したもの。霜柱は地中にある液体の水が凍ってできたものであり、空気中の水蒸気が昇華して凍った霜(しも)とは別の現象。(カ)
2021年10月16日
幌満峡の紅葉見頃です
10月14日幌満峡の紅葉を見に行ってきました。ちょうど見頃です。常緑の緑、赤色や黄色に染まった落葉の色合いがきれいです。
幌満川第2発電所堰堤と紅葉
かつての発電所
ガマズミの実
水面の紅葉
ほかにも幌満峡には、北限のゴヨウマツ、幌満ダム、稲荷神社なども楽しむことができます。車の運転には注意していかれてください。(カ)
2021年10月05日
海の変化
様似町を含む北海道太平洋のウニやサケの変化について全国ニュースになりましたので、こちらでも報告します。
<イルカが浜にあがる>
2021年9月26日(日)様似町長選挙が行われていましたが、その時大正トンネル付近の海岸には「イルカ」の死骸が浜にあがっていました。4m未満だったので、クジラではなくイルカのはずです。付近にはイルカの香りが充満していました。近所のかたにお話を聞くと、もっと前からあがっていたとのこと。
クジラの話・その1。2015年4月14日と2018年8月29日ハッブスオウギハクジラ(Mesoplodon carlhubbsi)が様似町の浜にあがり、日本中から研究者が集まり、調査されていたこと。ハッブスオウギハクジラは、大変希少な種。2015年の漂着は、世界で62例目、日本で18例目、北海道で5例目になるそうです。「ストランディングネットワーク北海道では、道内の鯨類(イルカを含む)の漂着情報を集めております。腐敗しているものでも、学術研究に使える場合が少なくありません。ご協力をよろしくお願い致します」とのことです。(引用:ストランディングネットワーク北海道ホームページhttps://kujira110.com/?s=%E6%A7%98%E4%BC%BC%E7%94%BA&paged=2)
クジラの話・その2。アイヌの人々とクジラの話。アイヌによる捕鯨は広く行われるものではなかったようでで、多くの場合、何らかの原因で浜に寄りついたクジラの肉を食料として食べていたようです。その場合も村人たちは大喜びして神に感謝したそうです。一頭のクジラから相当の肉がとれます。クジラは食料として人間にとって大変ありがたいものだったのです(引用:アポイのふもとから)。
また様似町では昔、クジラがよくあがったそうで、包丁と鍋をもって地域の人々が集まったということもあったそうです。
襟裳岬・日高耶馬渓が見える景色。10月2日はけっこう波がありました。
<白化したウニとムイなどが浜に打ち上げられる・・・>
2021.9.21頃から、浜にウニやムイの死骸が多数打ちあがるという話を聞きはじめました。その後、北海道の太平洋側で鮭の死骸が網にかかることもテレビや新聞で報道されました。
ムイ(ヒザラガイの骨)
北海道新聞(2021.9.26)によると、今月中旬以降、海水が茶褐色に変色する赤潮が発生している。その海水にはプランクトン「カレニア・ミキモトイ」が大量に含まれていることがわかった。お隣町のえりも町では今月中旬、低気圧による大雨が降ったほか、赤潮が原因なのか因果関係は不明。
北海道新聞(2021.10.2)によると、9月30日現在、えりも漁協(様似町の半分のエリアはこちらに所属)でサケ1280匹、ウニ10トン。日高中央漁協(様似町の半分のエリアはこちらに所属)でサケ60匹の漁業被害。北海道は各地で発生している赤潮の原因は、西日本に多く生育するプランクトン「カレニア・ミキモトイ」だとして、監視を強化している。
2021.10.2、様似町冬島の大正トンネル周辺にあがった生物の調査に行ってきました。浜は、香り(おそらく死骸から発生したもの)が充満していました。棘が落ち、多くが白化したウニ(多くはエゾバフンウニだと思われる)の死骸、ムイ(ヒザラガイの仲間)も数多く打ちあがっていました。他には、身の入ったツブ、イガイに仮根を付着させた根のみの日高昆布などが印象的でした。これらは台風などの波の影響で浜に上がったのか、海水温が関係するのか因果関係はわかりませんが、記録しておきます。漁業者の話によると、様似町では過去にも同じようなことがあり、それ以来数年間ウニがとれなかったことがあるそうです。
ムイ(ヒザラガイ)、ウニ、昆布の根
2021.10.2、アポイ岳ジオパークビジターセンターに四国出身のかたがアポイ岳の調査後にいらっしゃったので、瀬戸内海の赤潮について伺ってみました。内海の瀬戸内海では、赤潮が頻発する。特に養殖のハマチなどに影響が出る。四国出身としては、外海で赤潮被害というのは驚きである。
「海の変化」問題に対して、(1)視点の三原則「鳥の目/魚の目/虫の目」(四国との比較、全道の状況把握、現状の記録)に加えて、(2)温故知新(様似町の昔の記録をたずね、そこから新しい知識・見解を導くこと)という視点をもって、少し問題を掘り下げてみました。(カ)
2021年09月21日
ローソク岩先端の崩落
アポイ岳ジオパークのサイトの1つでもあり、様似町の特徴的な景観の1つ「ローソク岩」の先端が崩落しました。よりローソクらしくなくなってしまった!?
雨が1日中降り続いた9月17日の翌日(18日)~20日未明頃に崩落が生じたと思われます。現場を見に行ってきました。5年前の写真と見比べてみてください。
↑2021年9月20日 ※ローソク岩右下に崩落物が見えます
↑2016年6月6日
ローソク岩と塩釜トンネルは節理(せつり)と呼ばれる割れ目がたくさんできており、それに沿って崩落・すべり崩壊(複合すべり崩壊)がおきたのではないかと思います。(※ローソク岩の隣に塩釜トンネルがあるという位置関係です)
現場を見て、崩落物量の多さに驚きました。ローソク岩や親子岩などの奇岩の景色が侵食と崩落によってつくられたことを改めて感じつつ、崖崩れについてもより考えていく必要があると思いました。
親子岩ふれあいビーチからローソク岩を見た景色も少し変わりました。昔の写真と見比べてみてください。
↑2013年8月25日夕方
↑2021年9月20日
ローソク岩・塩釜トンネルについては、2003年以降で、今回を含めて3回は大きな崩落がおきています。(1)2003年9月26日十勝沖地震(2度の震度6)のあと:ローソク岩の先端・塩釜トンネル海側の崩落(引用:広報さまに)。(2)2019年2月頃:塩釜トンネル海側の崩落(引用:地区別企画展鵜苫)(カ)