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2013年03月09日
ジオ実験塾2回目〜岩石いろいろ〜
1月20日(日)にジオ実験塾2回目が開催されました。報告が遅れて申し訳ありません。
第2回目は、岩石についての講座です。
NIIDA先生のわかりやすい解説で、石の名前のつけ方をまなび、その後実際に石を見てみました。
石の見分け方を学びます。
箱の中の黒灰色の石を観察しました。粒の粗いものが下に、粒の細かいものが上に重なるシマシマもようの繰り返しが堆積岩の特徴です。(ちなみに、静内産の石です。)
岩石標本を使って火成岩を分類しました。上段が鉱物の粒の小さな「火山岩」です。下段が鉱物の粒の大きな「深成岩」です。
薄片(石を薄くスライスしたもの)を顕微鏡で見ました。鉱物の粒の大きさ、鉱物の色の違いを観察しました。
黒色と白色の2色のシマシマの石を割ってみました。するとシマシマにそって割れました。「変成岩」の特徴です。(ちなみに、幌満川稲荷神社のちょっと奥の角閃岩です。)
3回目講座「様似の岩石」は、明日開催です。いつもの場所、幌満コミュニティセンター(旧幌満小学校)内の、アポイ岳地質研究所(通称:ジオラボ・アポイ岳)での開催です。
石を切ったり磨いたりします。お楽しみに。(ジオ美)
(Photo by Ho! Roman)
2013年03月05日
かんらん岩の礫浜で採るフクロフノリ
昨日、海岸沿いの国道を走っていると、路肩に軽トラックが駐車していたり、磯場を見ると、胴付姿の人影が…。
例年お伝えしていますが、早春の風物詩「フノリ採り」です。
立ち寄ったのは、アポイ岳の麓にある冬島漁港近くの礫浜。アポイの山裾だけにかんらん岩の転石がごろごろしています。岩肌に群生しているのが「フクロフノリ(袋布海苔)」で、手でかきむしって採ります。味噌汁の具として食べるのが一般的ですが、昔は布張り替えの糊(のり)にも利用されたことから、その名がついたそうです。
堤防のコンクリートにびっしり生えたものも、しっかり採取するんですね。
今年は生育があまり良くなく、むしるのも大変。この日までのものは生食で、この後採るものは乾燥させたものになるそうです。皆さんもぜひ、味噌汁で春を感じましょう!(タク)
2013年03月03日
様似・日高の歴史を拾い集めた人...邑山小四郎展
1週間も空けてしまい、申し訳ありませんっ!いよいよ3月で新年度まであと1ヶ月です。かなりバタバタしてきましたが、ブログも何とか継続しつつ、今年度のラストスパートといきたいところです。
さて、昨日の中央公民館は人、人、人…。というのも、昨日は日高管内のダンススクールが一堂に会したダンスフェスタがあったのです。
けっして広くはない様似町中央公民館のホールは、踊る子どもたち、それを見るお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんで立錐の余地もないほどの盛り上がり。
ステージまで行って写真を撮ろうと思ったのですが、あまりの盛り上がりに入口付近で失礼してきました。というのも、今日の本題は、ダンスとは対照的なこの静かな催し。
約50年前に発刊の「様似町史」を執筆した、邑山小四郎氏の遺品と業績を紹介する展示会(主催:様似会所の会)です。ちょっと、ダンスに圧倒された感がありましたが、それでもダンスを見に来たおじいちゃんやおばあちゃんが寄ってきてくれて良かったです。
邑山小四郎氏は、明治17年に秋田県で生まれ、幼少のころ縁あって様似へ移住し成長。札幌師範学校を出て一時教鞭をとっていましたが、樺太に移住します。終戦後の昭和22年北海道に引き揚げ、以降、様似でその生涯を閉じますが、晩年のすべてを郷土史の発掘と様似町史の執筆にささげた人物です。
会場には、邑山氏の縁者の方から様似郷土館に寄贈された同氏の遺品が展示されています。特に、樺太引き揚げの時から亡くなる間際まで綴られた日記や独学でまとめた夷語(アイヌ語)辞典などは、様似町史を裏付ける資料としてたいへん貴重なものです。
そして、夜にはその足跡を語る講演会も、様似図書館で行われました。講演会ではまず、この展示会を主催した郷土史研究団体の様似会所の会事務局長・水野さんが、展示会開催のいきさつや邑山氏の人物紹介。
そのあとに、北海道開拓記念館の田村将人学芸員が、邑山氏執筆の夷語(アイヌ語)辞典をひも解いて、アイヌの人たちから様々な言葉や言い伝えを集めた同氏の足跡をたどりました。
独学でまとめた夷語辞典には誤謬も多いようですが、丁寧な字でしたためた日記などからは、当時の様似の様子や同氏の想いが伝わってきます。邑山小四郎展は3月10日(日)まで、様似町中央公民館ギャラリー21で開かれています。ぜひ一度、足をお運びください。(タク)
2013年02月24日
先生ご自慢の世界のかんらん岩がビジターに...
今日も寒いですね。もう3月だというのに…。
先日、お昼休みに様似橋を通ると、河口に張っている氷の上に仲良く2羽が…。
オジロワシです。もっと拡大して撮りたかったのですが、ワタクシのコンデジではこれが限界。車から降りてそろりと近づいてみたのですが、案の定、飛び立ってしまいました。
ところで、今日もビジターネタです。
着々と進むアポイ岳ビジターセンターのリニューアル工事。鮮やかな赤いボードが張られたコーナーは、いわゆるジオ(地質)コーナー。ここに、いろいろな情報パネルやジオラマ、アポイのかんらん岩などが展示されますが、その中の目玉の一つが大学の先生方に提供していただき展示する「世界のかんらん岩」。今日は、その一部をご紹介…。
ロンダ岩体(スペイン)のかんらん岩 | オマーンオフィオライト(オマーン)のかんらん岩 |
フェティエオフィオライト(トルコ)のクロミタイト | ハワイ(USA)のゼノリス |
ビクトリア(オーストラリア)のゼノリス | サン・カルロス(USA)のゼノリス |
かんらん岩は世界各地に産するそうですが、それらを集めるのはそうできることではありません。これも、様似町に古くからかかわっていただいているかんらん岩研究の先生方のお力があったればこそ。オープンのときには、無理言って提供していただいた超レアもの23個がジオコーナーを飾る予定です。お楽しみに!
ところで、話はガラッと変わって今日の役場前…。
軽食喫茶のカフェ・マザーに新たな看板がつくらしい…。コーヒー、カレー、ランチ…、ありふれてはいますが、味はなかなか。地元特産の灯台ツブを使ったツブカレーは、ワタクシお薦めですよ。(タク)
2013年02月20日
新ビジターセンターでは、様似の風景がお出迎え
4月のリニューアルオープンに向け佳境に入っている展示作業。先日は、センター内に置かれるジオラマの工場検定に、雪の中T課長と札幌まで行ってきました。
まずは、トンネル造形。これは歴史コーナーに置かれる模型ですが、今も日高耶馬渓に残る昔のトンネルを再現しているのです。
次に、日高耶馬渓の一部を切り取ったジオラマ。検定とはいえ、岩肌の塗装はまだ仕上げ前です。奥に小さくあるのは、鵜の鳥岩ですよ~。
そして、アポイ岳と並び様似のシンボルである「親子岩」。かなりリアルでしょ?となると、アポイ岳はどんなジオラマ?と思われるかもしれませんが、残念ながらアポイ岳はスケールが大きすぎて模型はなく、大型写真でのご紹介となります。
ビジターセンターは、大きく地質と自然のコーナーに分かれますが、地質コーナーでは、メインのかんらん岩に入る前に、地元の風景をまず見せることで、こうした景色がどうしてできたのかといったジオ的視点を持ってもらおうとの魂胆なんです。
また、入口近くには、アポイ岳ジオパークのエリア(様似町エリア)をほぼ納めた円形模型も置かれます。空から俯瞰するとさらに地形への理解が増すかも?この他にも高山植物のジオラマもあり、グラフィックパネルとの組み合わせでアポイ岳ジオパーク全体をご紹介します。(タク)