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2014年09月26日

第5回日本ジオパーク全国大会in南アルプス①

カナダのジオパーク国際会議から中1日開けた今日、第5回ジオパーク全国大会が開かれる、南アルプスジオパーク(長野県伊那市ほか)にやってきました。

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カナダから東京滞在のまま、伊那市に入り今度は全国のジオパーク関係者との交流が始まりますが、この日はその前日で、日本ジオパークネットワーク(JGN)の活性化部会の会議に出席するために前乗りしました。

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ジオパークの在り方や審査基準などを議論するため、JGN各地域の代表が集まるこの会合。今日も、今年の新規申請地域での審査の問題点などについてつっこんだ議論が交わされました。

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しかし、議論は審査基準にとどまらず、来年にも正式にユネスコの事業となる見込みのジオパークの運営・認定体制についても話し合われました。しかし、これまでも日進月歩で進んできたジオパーク。明確が答えがあるわけではありません。まだまだ道半ばのジオパーク。課題を抱えつつ、明日からの第5回大会に臨んできます。その様子はまた明日以降に、、、(タク)

2014年09月23日

第6回ジオパーク国際ユネスコ会議inカナダ⑥

いよいよ最終日を迎えたジオパーク国際会議。この日もさまざまなテーマの分科会で事例発表が行われ、先日ご紹介した同じかんらん岩ジオパークのセシアバルグランデジオパークのデラロールさんも発表していました。

ストーンハンマー_デラローレ.jpgのサムネール画像

かくいうアポイ岳もこの日が発表。本番前に、近くのスタバでAriによる発音練習。悪あがきだと思うケド。

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そして、いよいよ発表です。恥ずかしいのでこの少しだけ。内容は、アポイ岳ジオパークの紹介と、かんらん岩と高山植物のつながりをどう教育や観光に生かしているかという事例発表です。Sakashita町長からも「良かったんじゃない~?」という、一応及第点をいただきました。

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発表では、町の市場でTamaちゃんが仲良くなったおじさんも紹介。セントジョンと様似の気候やにおいはそっくりということをお伝えしたかったからです。

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会議を終え、夜のパーティー準備でホテルに戻る道すがらのススキなども本当に北海道にいるような感じでした。

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そして、最終日の夜はガラパーティーと新規地域の認定式

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AriとKatopanも少しだけドレスアップ。金沢大のAoki先生ご家族はゆかた、島原のガイドさんは着物と日本文化もアピールです。

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パーティーのアトラクションでは、イギリスのリベエアジオパークの迷(?)バンドも登場。セントジョンの歌やジオロジーの歌(堆積岩と火成岩と変成岩)など、ジオパークならではの音楽を披露してくれました。なぜ、彼らかというと、、、

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そう、次回2016年の国際会議の会場が、そのイギリスのリベエラジオパークだからなのです。

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そして、パーティーは核心へ。いよいよ今年の新規認定地域の発表です。2013年までの認定数は、30か国100地域です。

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ユネスコのマッキーバー氏が新規地域を一つずつ発表。呼ばれた地域は大喜びで檀上のビューロー(事務局)メンバーと抱き合ったり握手して気持ちを表現していきます。そして、日本から唯一申請中の阿蘇は、、、、

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やりました!見事認定です!

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壇上に上がった、阿蘇市長や関係者も大喜びです!日本の各ジオパーク関係者からも歓声が上がっていました。

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パーティーを終えて、さっそく阿蘇の関係首長は、地元で吉報を待っている市民に向けて、インターネット映像で報告と感謝を述べていました。本当に良かったですね。次はアポイと伊豆半島がこの流れをつなげていけるか、本当の勝負はこれからです。

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というわけで、移動時間も含めて1週間のドタバタ劇もとりあえず終わりを迎えます。このブログを書いているのはカナダのトロント国際空港。昨夜の10時に終わったパーティーのあと、午前2時に起床し、5時の飛行機でセントジョンからこのトロントに着き、13時発の羽田行き便の待ち時間を利用してお伝えしています。これから13時間かけて東京に向かいます。疲れるな~、しかも、その後はワタクシだけがそのまま長野県で開催されるジオパーク全国大会に移動することになっています。様似に帰るのは月末。帰ったら、机なくなってるんじゃないかと不安のワタクシなのです。(タク)

2014年09月22日

第6回ジオパーク国際ユネスコ会議inカナダ④

さて、国際会議中日のこの日は、ハンマーストーンジオパークを体験する巡検がありました。いくつかのコースに分かれている中の一つに参加。

巡検_バス.jpg

まずは、バスに乗って市内見学です。

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この日は日曜日。市街中心にあるキングススクエアという公園では、なにやらイベントも行われていました。カナダはエリザベス女王が元首の立憲君主制。この公園も空から見るとイギリスの国旗・ユニオンジャックの模様となっているそうです。

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中心街には、古くは17世紀の建物があるなど入植の最前線だったこの地の歴史を感じさせます。

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ところで、セントジョン市は大小の深い入り江を持つ独特の地形。初日にここの干満の差は世界一だということをお伝えしましたが、その様子も見学できました。上の看板写真の右下方向には海が、左上方向には深い入り江(湖?)が広がっていますが、ちょうど私たちがこの写真の真ん中付近の見晴らし場所に行くと、右下の海方向から左上の入り江方向に、ものすごい勢いで水が流れていました。

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つまり、この時は満潮に向かっている時で、数キロもの距離を海水が上流の入り江に向かって遡上していたのです。ちなみに、上の写真の工場は製紙工場。なにやら王子製紙と関係(系列?解説はもちろん英語なので???)があるらしい。

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これは、看板写真の下あたりにある展望台からの眺めです。

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なお、この入り江周辺ではこんなアクティビティも!違うコースのメニューで我々は体験しませんでしたが、結構な高さ。ワタクシには無理だったかも、、、

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さて、ロブスターロールのサンドウィッチをほお張った後の午後からは、一転してジオツーリズムらしいところへ。ここは、IRVING自然公園というところ。砂浜に降りてジオガイドさんのジオ話が始まりました。

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何回も言いますが、ガイドの言語は英語。しかも話はジオロジー。はっきり言ってちんぷんかんぷんです。でも、AriやTamaちゃんのフォローでなんとかついていきます。

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話の内容はよく分からないのですが、感心したのがいろいろな道具を使っての解説。これは奥の地層が氷河によって削られたものらしく、氷河がどのように地層の上を流れるのかを板と氷を使って参加者に体験させていました。ボランティアでAriとKatopanがお手伝い。

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こちらは、参加者に魚の死がいになってもらい、化石がどうやってできるかを楽しく説明している場面。死がいの上に何枚も被せた布は堆積した地層を表現しています。こんなのも楽しく分かりやすくする工夫で感心しました。

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日曜日とあって、この公園にはたくさんの車も来て散策を楽しんでいました。一見何の変哲もない砂浜を家族やカップルが歩いたり、座ったりして休日を静かに楽しんでいる姿は、少なくても北海道では見られない光景ですね。

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さて、巡検最後はアクティビティが待っていました。この入り江でのカヤックです。挑戦したのは、Tamaちゃん、Ari、Katopanにワタクシの4人。Sakashita町長とSakai議長は危機管理上問題がある(笑)との理由で見学となりました。なお、カメラを持ち込んで万一ひっくり返ってでもしたらと写真はなし。想像でお願いします。

さて、今日(現在、現地時間22日の午前6時40分)はいよいよ会議最終日。ワタクシの発表もあり最後のひと踏ん張りです。その様子はまた後ほど。(タク)

 

2014年09月21日

第6回ジオパーク国際ユネスコ会議inカナダ③

1日空いてしまいましたが、国際会議の初日。滞在先のホテルから出発するAriは、様似民族文化保存会の熊谷さんに作ってもらったアイヌの鉢巻をしっかりと締めていざ出陣。

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会議会場には、日本ジオパークネットワークで用意したPRブースがあり、アポイ岳もパンフレットなどを持ち込んで各国のジオパーク関係者にアピールです。

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会議のオープニングセレモニーは、地元の先住民族の代表による歌と祈り。

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会議では、基調講演や各地のジオパークの事例紹介などの分科会が行われています。

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これは、日本ジオパークネットワーク事務局の斉藤さんの発表。日本のネットワークの役割と取組みについて説明していました。もちろん、英語で!ちなみに我がアポイ岳の発表は最終日の22日。一応、ワタクシがペーパー棒読みですが発表することとなっています。ど~なることやら。

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ところで、アポイ岳のブースには、うれしいお客様が…。実は、アポイ岳と同じ新鮮なかんらん岩を持つ、北イタリアのセシル-バルグランデジオパークの関係者が訪ねてくれたのです。

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これは、ネットワークでの交流を模索していたウチが、同じかんらん岩つながりで事前にメールでやりとりしていたことによる対面。新鮮なかんらん岩、それにより育まれている高山植物、そして気候変動による高山植物の衰退と、セシルもまるでアポイと同じような状況にあることを彼らから聞いて、交流の足掛かりになることを実感しました。まずは、お互いの活動を伝え合うことから始めようと意気投合したところです。

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また、会議では発表以外にも、来年にも実現する予定のジオパークのユネスコ正式プログラム化についても話し合われました。今は、ユネスコが支援しているというスタイルのジオパーク活動ですが、順調にいけば来年終盤にも正式にユネスコとのプログラムになる予定。移行するに当たり、理念や体制などについて議論が交わされました。

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なお、順調に進む会議ですが、一つ事件が。実は、日本ブースで盗難事件が発生。各地域とも貴重品などは置いてはおかなかったのですが、昨晩のうちにいくつかの品が盗まれるという被害を受ける羽目に。しかも、アポイ岳はかんらん岩の10センチキュービックを盗られてしまったのです。事務局に話をして、警察に来てもらうことに。物好きな人もいるものだと感心しつつも、自らの油断を大反省です。明日は、ハンマーストーンジオパークの巡検で、実際にどのようなツアーが行われているかを見聞してきます。(タク)

2014年09月19日

第6回ジオパーク国際ユネスコ会議inカナダ②

未明の到着から一夜明け、セントジョン市の街並みがようやく分かりました。

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カナダ東海岸にあるセントジョン市は、人口9万5千人のニューブランズウィック州最大の都市で、昔から貿易港として栄えてきました。今日は、明日スタートの会議の打ち合わせや出展ブース準備などを行いましたが、皆さんにもこの街の雰囲気を少しだけお伝えします。

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セントジョン_ビル.jpgのサムネール画像
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街には、17世紀の建物も多く残っているそうですが、会議会場は再開発されたウォーターフロントにあるマーケットスクエアという建物。飲食店などの商業施設と博物館・図書館・会議場などが一緒になった複合施設です。

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ところで、このセントジョンは世界でも最も干満の差が激しいところ。このウォーターフロントに行ったときにはちょうど干潮だったのですが、埠頭の喫水線を見るとその高さを実感できるでしょうか?ときには14mもの差になるそうです。

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さ て、会議会場ではスタッフが明日の準備に追われていましたが、各ジオパークをPRするブース準備も始まっていました。阿蘇ジオパークはこの会議で世界加盟 の行方が決まるとあって単独ブース。でも、今回のブース設置料はかなり高額なため、アポイ岳は他の希望する日本ジオパークと合同のブースに間借りすること としています。

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ところで、会場には地元ストーンハンマージオパークのマスコットとおぼしき着ぐるみが登場。日本ジオパーク以外にもマスコットいるんだと、認識を改めさせてもらいました。どうですか?アポカンと比較して。

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また、17時からは各国のジオパーク関係者を歓迎する市民イベントも行われ、さまざまなパフォーマンスを見せてくれました。

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我々は、加盟審査を決定するビューロー(事務局)メンバーとコンタクトし、アポイ岳の世界申請をアピール。Ariの通訳フル回転でその場にいた何人かとお話ができました。明日からは、いよいよ会議。さらにPR活動を続ける予定です。(タク)

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