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2014年03月04日

アポイ岳周辺の森と海をつなぐ川の謎にせまるよ~グイグイ!(^^)!

こんにちは。ジオローです。3月に入り少しずつ寒さも緩み、路面を覆っていた雪も解け始め、春を感じるようになった今日この頃です。

そんな中、可愛らしい福寿草が元気に顔を出していました。花言葉は、文字どおり「幸福」や「幸せを招く」などといった意味があるそうです。その反面、毒性を持ち合わせていますので気をつけてくださいね(汗)

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さてさて本題に入りまして、先日、ふるさとジオ塾開放講座を町立様似図書館で開催し、町内外から47名が来場しました。

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今回は「アポイ岳周辺の森・川・海を知る」ということで、講師には様似をフィールドに河川の調査研究している北海道大学北方生物圏フィールドセンター教授のSato-Fuyuさんと、北海道立総合研究機構林業試験場のNaga-Sakaさんのお2人によるダブル講演です。

Sato-Fuyuさんは「アポイの森から海への養分供給」と題し、かんらん岩流域と非かんらん岩流域の水質を比較した調査結果を踏まえて講演してもらいました。その調査結果から読み取れることは、かんらん岩流域では非かんらん岩流域と比べてMg濃度が高いことや、大雨が降った後の出水時には、鉄が有機物と結合して流出するなど話されました。

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次にNaga-Sakaさんが「落ち葉は森から川、海への贈り物」と題し、自身が調査研究(美唄市濃昼川)した結果をもとに、河畔林(川沿いに生えている森)の落ち葉や虫などの有機物が川によって海へ運ばれて、どのような役割を果たしているのか講演。その中で、川を通じて流れてきた落ち葉は河口域でたまり、トンガリヨコエビという虫のエサとなり、そのトンガリヨコエビはクロガシラガレイの稚魚のエサとなる(食物連鎖)など、森と海のつながりについて話されました。

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今回は調査研究の一端をご紹介してもらいましたが、来年度も町内の河川調査をする中で新たな発見や可能性を期待しつつ、結果報告を楽しみにしています。(月1回程度、町内の河川に出没する予定ですので、怪しい人と思わないでくださいね・笑)。

Sato-Fuyu教授、Naga-Saka主任ありがとうございました。

 

さて、今回のジオ塾開放講座をもちまして、25年度のふるさとジオ塾が閉講となりました。これまで、フットパスやアポイ登山、町内のジオサイト巡るバスツアーなど、町内にある資源等について学習・体験をしながら、郷土愛の醸成を養ってきました。

平成26年度のふるさとジオ塾は、ガイド養成講座としてリニューアルします。観光客等に様似の見どころを案内するガイドを目指して、楽しみながら地域のことを学んでみませんか?4月~2月まで全11回の講座を開催します。(詳しくはアポイ岳ジオパークHPお知らせをご覧ください。)皆さんの参加をお待ちしていま~す。

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追伸

今年担当係となったジオロー、運営の傍ら塾生と一緒に勉強して参りましたが、様似に住んでいても知らないことがたくさんあったり、身近にあり過ぎて当たり前と思っていたことが実は貴重で珍しいものであったりと宝物さがしのようでした。今年のジオ塾で学習したことは、ほんの数ページだと思いますので、この先も様似の物語をひも解きながら、自分が皆さんに様似の魅力を伝えられるように勉強しなければと思うのでした。 【ジオロー】

2014年03月02日

18名のヒナの巣立ち_様高最後の卒業式

冷たい風の中にも、春の訪れを感じさせるような2014年3月1日。65年の歴史を閉じる様似高等学校の最後の卒業式が行われました。

町広報のTAMAちゃんから、「最後の卒業式だから、きちんと記録を残したいので、ビデオ撮って。」とお願いされ、慣れない動画撮影に挑戦。と思ったら、駅前民宿の女将さんから、「イヤ~、お客さんが多くて卒業式行かれないから、写真撮ってきて!」と頼まれ、「うわっ!二足のわらじか!」。でも、なんとか撮れました。写真を女将さんに渡したら、さっそく駅前民宿のブログでくわしく紹介してくれましたので、そちらもぜひ見て下さい。

http://blogs.yahoo.co.jp/ekimaeminsyuku_samaki

こちらでは、女将さんが紹介していない場面を中心に紹介します。

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式場には、父兄や来賓のほか、卒業生OBなども多くかけつけ、最後の卒業生たちの巣立ちと様高閉校を見届けました。

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卒業証書授与では、担任の佐藤先生が万感の思いを込めて18名の卒業生一人一人の名を読み上げます。

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そして、大庭校長先生が激励の言葉を送りながら生徒全員に卒業証書を手渡していました。

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これまで統廃合で閉校していったすべての小中学校も含めて、様似町内の学校の校歌で必ず歌われてきた「アポイ」。その響きがまた一つ途絶えてしまうのはさびしい限り。でも、様高の響きは、5千余の卒業生の胸にしっかりと刻まれているはずです。

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涙と笑顔の卒業式の後は、最後のホームルーム。ここでも、当然ながら涙、涙でしたが、別れは旅立ちの時でもあります。最後は18名の卒業生と担任の佐藤先生、副担任の池田先生で、最高の笑顔で出発です。

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みなさん、本当におめでとう!そして、新たな世界でがんばってくださいね!

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アポイを望む校舎には、再来年度、中学生の元気な声が響き、新たな歴史を刻んでいくことになります。(タク)

2014年02月24日

冬のアポイもけっこう、イヤ、かなり楽しい~!

日曜日の昨日、ふるさとジオ塾の特別講座として、冬のアポイ岳登山を行いました。参加者は総勢15名。何人かでも怖いもの見たさで、冬山を体験したいと思ってくれる町民がいるかなと期待したのですが、残念ながらファンクラブ主体のツアーとなりました。

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でも、今回の目的は様似町で皆無といっていい冬の観光ツアーの可能性を探るためのもの。実は来年の2月にの冬山登山ツアーを敢行する予定で、そのための大事な予備調査なのです。

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スタート直後にこんな4つの穴を発見。クマゲラが開けたようです。

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また、辺りには、トーゼンたくさんの動物の足跡が残されていました。シカにキツネに、これはどうやらネズミらしい。

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今回、冬山の楽しさをガイドして下さったのは、さっぽろ自然調査館のNIWAさん。動物の足跡のほかにも、木の芽や森林全体について、豊富な知識で解りやすく説明してもらいました。

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ところで、登山道は予想はしていたものの、積雪はそう深くなく、山小屋まではNIWAさんのガイドをじっくり聞きながら登っていきます。

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2時間以上をかけてとりあえず山小屋に到着。このメンバーにカメラマンのワタクシを加えて総勢15名。頂上を入れての1枚です。

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休憩後、馬の背に向けて再スタート。その直後、登山道沿いのミヤコザサはこのとおり。見事にシカくんにお掃除されてしまっています。

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6合目を過ぎてからのいつもの眺望。この日は天気も良く、風もそう強くはなかったので、とても気持ちが良かったです。メンバーの一人クマさん曰く、「こんなのは夏山みたいなもんだ~」とのこと。

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7合目手前。このあたりはほとんど雪が無く、頬に当たる冷たい風も心地よく元気に上を目指します。

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そして、馬の背到着。絶景かな、絶景かな~!

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馬の背から頂上にかけては、さすがに吹き溜まりで足を取られるところもありましたが、ヒーハー言いながら頂上を目指します。

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そして、ついに頂上到着。あれ?いつもと様子が…。

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頂上の標柱も祠も、すっぽりと雪に埋まっていました。それでも2月下旬。多い時にはこれらが完全に姿を隠すほどの吹き溜まりとなるそうです。

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いつもと少々勝手が違って、かなり疲れましたが、無事冬山踏破です。冬のアポイもガイドによっては見どころ満載。夏の暑さを思えば冬のアポイ結構楽しいゾ。来シーズンのツアー実施に手ごたえを感じた(疲れた)一日でした。ガイドのNIWAさん、ありがと~!(タク)

2014年02月22日

アポイちゃんって、こんな味だったんだぁ!?

こんにちは。ジオローです。

先週末の大雪の影響で、甲信関東地方は甚大な被害に遭われてた方々、今もなお孤立状態となっている地域におかれましては、一刻も早い復旧をお祈りするとともに、中心よりお見舞い申し上げます。

関東地方で数十年ぶりに記録的な大雪が降るなど、特にここ数年は異常気象を感じざるを得ません。自然の恐ろしさを改めて思い知らされました。

 

ちょっぴり湿った入りとなりましたが、さてさて今日は日高昆布フォーラム実行委員会主催のデコ巻き寿しづくり体験が行われました。講師には北海道フードマイスター、デコ巻き寿司マイスターの木村光江さんこと『ミーヤン』。

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ミーヤンの指導のもと、日高昆布を使ってアポイ岳ジオパークのキャクター・アポイちゃんをのり巻きにしちゃおうじゃないかという無茶ぶりの?!企画です。

このデコ巻き寿しづくりに、町内外から小学生~大人まで合わせて約25名が参加。ミーヤンワールドに参加者も楽しく工作するかのようにデコ巻き寿しづくりに挑戦です。

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まずは、のり巻きの顔となるパーツづくり。何と酢飯がピンクに色変わり。これはハスカップ汁を入れて混ぜてできたもの。

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その酢飯をのりでハートの形に巻いていきます。

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また、酢飯を細長~い三角形にしたり、

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のりの上で酢飯を引き伸ばしたり、それぞれのパーツを作ります。

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完成したパーツを一つずつ組立ていき、太巻きの完成!出来上がりは後でね!

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本来はバンダナのアポイちゃんが三角巾に変身!

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続いて、もう一種類のデコ巻きづくりに挑戦。さきほどと同じように、それぞれのパーツづくりです。酢飯にハスカップ汁を入れて混ぜ、ピンク色に染めた酢飯をのりで丸~く巻きます。

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今度は酢飯に鮭フレークを入れて混ぜて棒状にします。

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出来上がったパーツをそれぞれ組み立てていきます。

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途中で一番重要な煮コンブを乗せ、全部のパーツを組み合わせていき、

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最後はのりで丸く包んで完成!

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完成したデコ巻き寿しに包丁を入れてみると、その中身は…。

最初に作ったデコ巻き寿しは、アポイ岳に咲く高山植物サマニユキワリです!もう一つはかわいいアポイちゃんです(アポイちゃんのモデルはサマニユキワリだよ~ん)さっきの煮コンブはアポイちゃんの目でした。

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オリジナルアポイちゃんデコ巻き寿しをもって記念撮影!

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出来上がったデコ巻き寿しは、皆で美味しくいただきました。アポイちゃんはどんな味かな?

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ちょうど昼時でお腹が空いたジオロー。皆さんの好意に甘えてアポイちゃんデコ巻き寿しをもらい、さあ実食!!と思いきや、アポイちゃんが自分を見つめてるようで、何だか愛おしい…。少しためらいましたが、空腹感には勝てず、アポイちゃんをパクリ!アポイちゃんって鮭やコンブなどの味が…。地元の味がしましたよ。 【ジオロー】

2014年02月21日

先住民族アイヌの人々のルーツを探る_ふるさとジオ塾開放講座

先日、様似図書館を会場に、ふるさとジオ塾の開放講座を行いました。

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今回の座学は、「アイヌ文化・民族の源流と形成~北海道の古代史にせまる~」と題した講義。日本古代史やアイヌ史が専門の、苫小牧駒澤大学の蓑島栄紀教授をお招きし、約50名の参加がありました。

ジオ塾では、これまでも歴史講座を行ってきましたが、そのほとんどが江戸時代後期以降の開拓の歴史。それ以前のアイヌの人々の歴史文化への理解が不十分だったことから、その部分を勉強しようと企画した次第。まずは、アイヌの人々の暮らしを学ぶ前に、北海道に人が住み始めたのはいつ頃で、その後、どんな歴史を経てアイヌ文化・民族につながっていったのかといった「アイヌの源流」ともいえる北海道の古代史を学ぼうというわけです。

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通説では、アイヌ文化期の成立は13世紀とされていますが、蓑島先生は、「アイヌ文化・民族は、縄文文化を基層としつつ、日本や北東アジアとの交易・交流に傾斜しながら徐々に形成されてきた」との見解を示され、「3世紀~13世紀までの期間を”アイヌ史における古代”と位置づける」との私見を述べられました。

アイヌの人々が、狩猟・採集を基本としつつも、「交易の民」であったことは知識として持っていたのですが、北海道の古代史の中でのアイヌ文化の位置づけがイマイチ不明瞭だったものが、この講演でかなりすっきりした気がします。様似には、昔から多くのアイヌの人々が暮らしてきました。様似の歴史を紹介するうえで、北海道における先住民族のことをもっと理解しなければと、この講演を聞いて改めて感じたところです。蓑島先生、ありがとうございました!(タク)

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