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2014年07月01日

世界挑戦に向けた国内推薦のための現地審査がスタート

アポイ岳ジオパークでは、昨年に引き続き、世界ジオパークを目指して、国内委員会に推薦を申請中ですが、その現地審査が今日から3日間の日程でスタートしました。

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午後2時半、アポイちゃんや子どもたち、役場職員が3名の審査員さんを役場玄関でお出迎え。

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まずは、会議室でアポイ岳ジオパークの取組みをご説明し、審査員からさまざまな質問やご意見をいただきました。

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また、ヒアリングの途中には、役場前のかんらん岩広場に巡検に来られた東北大学の学習の様子も見ていただきました。

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審査員の一人、室戸ジオパークのUFOラさんは、学生を捕まえて何やら質問中。

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ヒアリングを終えて、夜には、無形文化財のアイヌ伝統文化を体験してもらおうと、アイヌ協会の拠点施設の東様似生活館へ。

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アポイ岳ジオパークでは、地域のアイヌ文化を教育やジオツーリズムに活用したいと考えていて、審査員にもその文化の一端を見ていただこうと、様似民族文化保存会の皆さんのご協力をいただき企画しました。当然、3人の審査員さんにも踊っていただきましたヨ。

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踊りの後は、保存会の人も加わって、ジオ談義。岩石の公園と思われがちなジオパークは、けっしてそうではなく、ベースの大地に育まれた地域文化も「ジオ」であり、こうした伝承活動もぜひジオパークのウリの一つにするべきとのご意見もいただきました。

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テーブルには、保存会の計らいで、アイヌ料理の「シト(団子)」もふるまっていただき、日高昆布をまぶした味に審査員はもちろん、ワタクシたちも舌鼓を打ちました。

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また、アイヌの楽器・ムックリの音出しにも挑戦。まずは達人にお手本を示してもらいます。

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一応、コツを教えてもらい、一同挑戦したのですが、なかなかうまくいきません。「ビュンビュン」という独特の音色を出すのですが、もう少し特訓が必要?審査員さんたちも悪戦苦闘といった感じでした。もちろん、ワタクシもうまくいきません。練習せねば。

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最後に、再度一同で輪踊りを踊って楽しいひと時が終了。みなさん、明日はたぶん筋肉痛?

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明日は、ウチで続けている、町民学習会兼ガイド養成講座のふるさとジオ塾の形態で、アポイ岳ジオパークのジオサイトを塾生とともに審査員さんに見ていただくこととなっています。霧よ、晴れろ!(タク)

2014年06月27日

ばたばたの4日間_オマーンから見るホロマ~ンの価値

6月23日(月)、東京からのツアーご一行とお別れして、今度は直ちに図書館へ。この日の夜は、ジオパーク講演会があったのです。図書館の玄関前では、13kaさんが何やら火遊び、、、

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実はこれ、乳香を焚いているのです。なぜ、乳香を?そもそも乳香って?

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乳香とは、カンラン科の樹木から分泌される樹脂のこと。アラビア半島の国オマーンでは、におい消しとしてこの樹脂を香として焚く文化があります。今回のジオパーク講演会は、この知られざる国オマーンをテーマにしたもの。でも、なぜオマーンかというと、、、

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オマーンには、アポイと同様、マントルから現れたかんらん岩が大規模に露出しているのです。アポイのかんらん岩を調査している研究者は必ずと言っていいほど、オマーンにも足を運んでいます。今回は、世界を目指すアポイ岳ジオパークが、オマーンとの比較を通じて自身の持ち味であるかんらん岩を世界的視野でみつめてみようという趣旨。

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この日の入りは約50名。いつもの講演会なら普通ですが、もうちょっと来てほしかった、、、最初の講師は、金沢大学の荒井章司特任教授。荒井先生は、かんらん岩研究の第一人者で、アポイ(幌満)のかんらん岩はもちろん、オマーンをはじめ世界各地のかんらん岩を研究しています。先生曰く、オマーンのかんらん岩は、海洋地殻の地層とともに、何百kmという規模で露出していて、規模の面ではアポイとはケタが違いますが、アポイのかんらん岩が優れているのは、マントルの情報を持ったまま新鮮な状態で露出していて、かつ、さまざまなタイプのかんらん岩が一度に見られること。小粒ながら、質の高さで世界的に貴重であることを誇りに持ってほしいとエールを送ってくださいました。

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また、2人目の講師は、つくば市にある産業技術総合研究所名誉リサーチャーの青木正博氏。青木さんは、何度もオマーンに行かれて、向こうのジオツーリズムを見聞してきた体験をもとに、ジオツーリズムの可能性とオマーンの国柄についてご紹介いただきました。

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講演会には、十勝の鹿追ジオパークからも日高山脈を越えてお客様がありました。一人は、青木さんの元部下で、現在は福山市立大学(広島県)の講師を務められている、澤田さん。鹿追ジオパークの学術顧問もされていて、たまたま鹿追に来ていたことから、かつての上司に会いに来てくれたのだそうです。

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もう一人は、昨年日本ジオパークに認定された鹿追ジオパークの大西さん。司会の突然の無茶振りにもめげず、鹿追で取り組まれている教育やツーリズムについてPRしていただきました。

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ちなみに、その無茶振り司会者のtamaちゃんは、この日こんなスタイル。

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オマーンの民族衣装のいでたちなんです。玄関で乳香をかいで、ホールで彼の地の風景を楽しみ、そして民族衣装。少しは、エキゾチックな感じになったかしら?

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現在、中央公民館ギャラリーでは、「知られざる国オマーンの地質探訪」と題した特別展を開催中です。ホロマン(アポイ)との意外な共通項から、遠いアラビアの国をのぞいてみませんか?特別展は、7月6日(日)まで開催しています(月曜休館)。ぜひ、ご覧ください。(タク)

2014年06月25日

ばたばたの4日間_東京からのお客様をご案内~!

さて、前日からの続きです。丹羽さんのジオ塾講座・登山を終えたその日の夕方、東京からアポイ岳ジオパークツアーのお客様32名をお迎えしました。アポイ登山と平場のジオサイトをご案内したのですが、登山の方はワタクシ同行しませんでしたので、2日目のジオサイト巡りをご紹介します。

まず、向かったのはエンルム岬。前日の好天とは打って変わって、濃霧のため何にも見えません。本当なら、アポイ岳や様似の街並みが一望できるのですが、、、残念。でも、解説看板とミズノンガイドの話術で盛り上げます。

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同じくビュースポットの観音山でも、展望台にはお連れせず、もっぱら植物談義。たまたま調査で居合わせた丹羽さんにも臨時のガイドになってもらいました。使える人はだれでも使うのがアポイ岳流です。

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蝦夷三官寺・等澍院では、住職に説明してもらいました。

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今年新たにジオサイトに加えた、様小裏の旧石切り場にもご案内。様似町の西半分の丘陵地帯は白亜紀の堆積岩層ですが、ここはその地層を観察できるサイトです。

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これも今年追加したジオサイト・岡田のチセ。チセとは、先住民族アイヌの伝統家屋のこと。数年前に復元されたものを、ここのアイヌ文化を紹介するサイトとして活用しているのです。

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解説してくれたのは、アイヌ生活相談員で文化伝承活動にもかかわっているオ~ノさん。15分という短い時間での的確な解説はさすがです。

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途中、いつもの花蘂水産に立ち寄って、シモさんの真ツブ解説を聞いてもらい、、、、

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地元経済にも貢献してもらいました。

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昼食後は、冬島の穴岩へ。裏側から岩の上にある段丘礫を観察し、大地の隆起を実感です。

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日高変成帯の地質であり、断層がバチバチ入った大正トンネル付近の露頭。熱と圧力で変成した片麻岩やその間に貫入したマグマ(花崗岩類)の荒々しさに一同興奮気味?

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その興奮を岸に上がった昆布の観察で冷やします。「これで何年ぐらい?」「2年です」

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日高耶馬渓と称している、高さ80~100mの断崖絶壁。その上にも、段丘堆積物が見られます。100m上もかつての波打ち際。このあたりの大地の隆起のすごさが伝わりますね。

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最後は、幌満峡の入口・泉橋でお別れ。一行は、襟裳岬へと向かったのでした。

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2泊3日のアポイ岳ジオパークツアー。ご紹介はできなかったものの、前日のアポイ登山も好天に恵まれ花と岩と景色を満喫。また、平場も楽しんでもらえたのではないかと思います。ツアーの皆様、ありがとうございました。

そして、皆様をお見送りしたあとは、この日の夜に予定のオマーン講演会へ。その模様はまた明日にでも。(タク)

2014年06月24日

ばたばたの4日間_まずはジオ塾報告です!

先週末から今週にかけて、3つの行事が重なり、てんやわんやでした。その様子を簡単にご紹介。まずは、20日(金)~21日(土)のふるさとジオ塾の第3~4回です。

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20日の夜は第3回講座「アポイ岳の高山植物の不思議と様似の動植物」と題して、さっぽろ自然調査館の丹羽さんの講義を受けました。アポイ岳だけでなく、その周辺(日高)の植生も知ることで、特異なアポイ岳の植生を理解しようというのが本講座の趣旨でした。また、地質や地形と植生を結びつけたガイドの心得についても教えてもらいました。

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そして、翌日の土曜日には、前日の講義の内容を実地でおさらいしようと、同じく丹羽さんにガイドになっていただき、アポイ岳登山を行いました。

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樹林帯が続く1~5合目までは、温帯性の植物と亜寒帯性の植物が混生する特殊性や、地質の影響などについてじっくり学びました。

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歩いていると、トドマツの幼木の葉っぱにこんな花が、、、新種か?

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いえいえ、上を見上げると同じ花が、、、ハクウンボクの花が落ちてきたのです。下向きに咲くのがこの木の特徴とか。

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5合目から上の高山帯では、高山植物のレクチャーです。海の方にはみごとな雲海が広がっていました。

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この時期の主役は、アポイヤマブキショウマ

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そして、もう一人の主役は、1属1種のエゾコウゾリナ

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アポイハハコも咲いていました。

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馬の背から頂上にかけてのロックガーデンにもたくさんの花が咲いていました。

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チシマキンレイカ

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なんとたっぷり5時間かけて山頂に到着。疲れました~。でも、疲れてはいられない。ただちに下山し、東京からのツアー一行をお迎えに。その模様はまた明日にでも、、、、(タク)

2014年06月10日

ジオツアー第2弾 「花の楽園!アポイ岳花登山ツアー」 第2日目

みなさん、こんにちは。コダマと申します。

引き続き、アポイ岳花登山ツアー第2日目 「アポイ登山」の様子をお伝えします。

 

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朝のビジターセンター前。あいにくの空模様。天気予報は「雨、時々やむ」。

主催者としては、非常に悩ましい天候ですが、決行です。

朝のミーテイングと、IYOKIガイドの「体操」を終え、2班に分かれ出発!

 

02インフォメーションボードDSC_0025.jpg

登山口のインフォメーションボードには、今咲いている花の写真を掲示しています。

ガイドとともに確認。

 

035合目DSC_0037.jpg

ガイドが説明しながらでしたので、時間はちょっと押し気味でしたが、足取りは順調に5合目に到着。

画面右にアポイ岳山頂が見えています。山頂が見えるということは、雨は大丈夫かな。

 

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5合目~6合目~7合目の急な登りを無事通過。

 

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馬の背の高山植物を観察しながら登ります。

 

05信太ガイドDSC_6755.jpg

ガイドさんの話も楽しみながら登りましょう。

 

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頂上まであとひといき。

 

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アポイヤマブキショウマ

 

09ミヤマオダマキDSC_6770.jpg

紫色の花を咲かせたミヤマオダマキが、あちこちに見られました。

 

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下のほうでは花の終わりかけているアポイアズマギクも、8合目あたりではきれいな花を咲かせていました。

 

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頂上を目前に、青空も見えてきました。後ろをふりかえると・・・

 

12絶景がDSC_6777.jpg

絶景です。

雨上がりで空気が澄み、新緑がまぶしいほどです。フツウの晴れの日では、見られない色だと思いました。

朝、登り始めは天候を心配していたのですが、今日はラッキーですね!

 

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日差しも強まり暑いくらい。木の枝の向こう側にいるセミ?のハネがわかりますか?

 

14集合写真DSC_6791.jpg

頂上で記念撮影です。みな笑顔。 (ちょっとボカしています)

 

16馬の背と様似DSC_6799.jpg

帰り道、馬の背に立つ参加者の背後に、エンルム岬など様似の風景が重なってきれいに見えました。

 

参加者のうちお二人は大事をとって8合目から降りられましたが、その他のかたは全員登頂し、全員ケガもなく予定の時間に下山できました。

 

朝の雨降りには心配させられましたが、なんとも思い出に残る一日でした。

昔よりは花は少なくなりましたが、かんらん岩の山、アポイ岳でしか見られない貴重な花や、山から間近に見える太平洋の風景を見に、アポイ岳ジオパークに来ませんか?

参加者の皆さま、ありがとうございました。

ではまた、ジオツアーのご参加をお待ちしています!!

(コダマ)

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