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2014年09月29日

第5回日本ジオパーク全国大会in南アルプス③

大会2日目は、テーマごとに分かれた分科会での討議。ワタクシはあるべき日本ジオパークの姿というテーマの分科会に参加。100名の参加者とともに、ジオパークの運営体制や理想像などを模索しあいました。

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Tamaちゃんやガイド代表で参加しているMIzunonさんもそれぞれの分科会に参加して全国の事例を学びとっていました。みっちり3時間の分科会の後は、商店街の一部を歩行者天国にしたお祭りが行われ、全国のジオパークマスコットも参加して大盛り上がり。

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写真のマスコットは、糸魚川ジオパークのジオまるくん。わがアポイ岳のアポカンは人員不足ということで失礼しました。

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そして、午後からはパネルディスカッションやバーチャルジオツアー、ポスター発表などが行われ、わがアポイ岳からはMIzunonガイドが約160人の全国のガイドの前でアポイ岳を紹介しました。多少、時間足りなかってケド、、、

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夕方には、閉会式が行われ、地元の中学生によるジオパーク学習の紹介や大会宣言が採択されました。今年も昨年の台風に引き続き、会場近くの御嶽山が水蒸気爆発を起こし多数の犠牲者を出すという災害が発生。大会に参加していた火山学者などが急きょ現場に急行するなど、大地の恵みと災いを扱うジオパークとしても、さらに防災教育の重要性を再認識した大会となりました。

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そして、翌日は南アルプスジオパークの巡検に参加。いくつかのコースのうち、われらアポイ組は日本一美しい村とのフレーズを持つ大鹿村コースを選択。

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写真は、大鹿村の象徴である昭和の初めにつくられたコンクリート製のメガネ橋と赤石岳(南アルプスの一主峰)。この日は、地元の小学生がシンボルの橋を彩る花を飾っていました。

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ところで、南アルプスジオパークは、中央構造線という東日本から西日本にかけて伸びる地層の境目(断層)をウリにしているジオパーク。大鹿村もそのもろい断層が長年の浸食によって削られた急峻な谷の中にある美村なのです。

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そのあたりの話は、大鹿村中央構造線博物館で詳しい解説をいただきました。

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しかし、その構造線が学術的に貴重であることは分かったものの、その断層が大鹿村をはじめとする地域の自然や文化にどのような影響を及ぼしたかというジオストーリーがいまいち見えない巡検でした。もう少し、人間生活を前面に出して、それが実は中央構造線によって形づくられてきたという話の流れがつくられるともっとすばらしいジオパークになるのではと、自省を込めて実感しました。

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でも、宿泊した鹿塩温泉の心づくしの食事や、写真の断層弁当など、地域の皆さんの心温まるもてなしをいただき、大満足のジオパーク巡検でした。

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これで、今月17日から約半月に及ぶ、カナダでの国際会議と南アルプスでの日本大会をすべてを終了。よく肝臓が、いえいえ体力が持ったものだと自分ながらに感心しました。明日は、帰りの道すがら、アポイの兄弟花・北岳のキタダケソウについて学ぶべく甲府の博物館にお邪魔して様似に帰ることとなります。帰れば、直ちに世界ジオパークネットワークへの申請書類を作成作業に着手。それを思うと、帰りたくな~い?いや、帰らなきゃと気合を入れ直してブログ書き込みしているワタクシなのです。(タク)

2014年09月27日

第5回日本ジオパーク全国大会in南アルプス②

本日、第5回日本ジオパーク全国大会が、長野県伊那市などの南アルプスジオパークでスタート。でも、開会式前の午前中には、日本ジオパークネットワークの事前相談会と事務局長会議が行われました。

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そして、午後からはいよいよ全国大会スタート。オープニングセレモニーは、大鹿歌舞伎です。

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セレモニーの後は、基調講演があり、その後には全国のジオパークを仕切っている首長さんのよるセッションが行われました。

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これは、実際的にジオパークを仕切っている首長さんがたの意識改革を行うことしており、コメンテーターにはアノ北川正恭氏が入り、坂下町長も国際貢献に関してコメントしてもらいました。(タク)

 

2014年09月26日

第5回日本ジオパーク全国大会in南アルプス①

カナダのジオパーク国際会議から中1日開けた今日、第5回ジオパーク全国大会が開かれる、南アルプスジオパーク(長野県伊那市ほか)にやってきました。

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カナダから東京滞在のまま、伊那市に入り今度は全国のジオパーク関係者との交流が始まりますが、この日はその前日で、日本ジオパークネットワーク(JGN)の活性化部会の会議に出席するために前乗りしました。

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ジオパークの在り方や審査基準などを議論するため、JGN各地域の代表が集まるこの会合。今日も、今年の新規申請地域での審査の問題点などについてつっこんだ議論が交わされました。

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しかし、議論は審査基準にとどまらず、来年にも正式にユネスコの事業となる見込みのジオパークの運営・認定体制についても話し合われました。しかし、これまでも日進月歩で進んできたジオパーク。明確が答えがあるわけではありません。まだまだ道半ばのジオパーク。課題を抱えつつ、明日からの第5回大会に臨んできます。その様子はまた明日以降に、、、(タク)

2014年09月23日

第6回ジオパーク国際ユネスコ会議inカナダ⑥

いよいよ最終日を迎えたジオパーク国際会議。この日もさまざまなテーマの分科会で事例発表が行われ、先日ご紹介した同じかんらん岩ジオパークのセシアバルグランデジオパークのデラロールさんも発表していました。

ストーンハンマー_デラローレ.jpgのサムネール画像

かくいうアポイ岳もこの日が発表。本番前に、近くのスタバでAriによる発音練習。悪あがきだと思うケド。

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そして、いよいよ発表です。恥ずかしいのでこの少しだけ。内容は、アポイ岳ジオパークの紹介と、かんらん岩と高山植物のつながりをどう教育や観光に生かしているかという事例発表です。Sakashita町長からも「良かったんじゃない~?」という、一応及第点をいただきました。

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発表では、町の市場でTamaちゃんが仲良くなったおじさんも紹介。セントジョンと様似の気候やにおいはそっくりということをお伝えしたかったからです。

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会議を終え、夜のパーティー準備でホテルに戻る道すがらのススキなども本当に北海道にいるような感じでした。

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そして、最終日の夜はガラパーティーと新規地域の認定式

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AriとKatopanも少しだけドレスアップ。金沢大のAoki先生ご家族はゆかた、島原のガイドさんは着物と日本文化もアピールです。

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パーティーのアトラクションでは、イギリスのリベエアジオパークの迷(?)バンドも登場。セントジョンの歌やジオロジーの歌(堆積岩と火成岩と変成岩)など、ジオパークならではの音楽を披露してくれました。なぜ、彼らかというと、、、

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そう、次回2016年の国際会議の会場が、そのイギリスのリベエラジオパークだからなのです。

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そして、パーティーは核心へ。いよいよ今年の新規認定地域の発表です。2013年までの認定数は、30か国100地域です。

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ユネスコのマッキーバー氏が新規地域を一つずつ発表。呼ばれた地域は大喜びで檀上のビューロー(事務局)メンバーと抱き合ったり握手して気持ちを表現していきます。そして、日本から唯一申請中の阿蘇は、、、、

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やりました!見事認定です!

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壇上に上がった、阿蘇市長や関係者も大喜びです!日本の各ジオパーク関係者からも歓声が上がっていました。

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パーティーを終えて、さっそく阿蘇の関係首長は、地元で吉報を待っている市民に向けて、インターネット映像で報告と感謝を述べていました。本当に良かったですね。次はアポイと伊豆半島がこの流れをつなげていけるか、本当の勝負はこれからです。

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というわけで、移動時間も含めて1週間のドタバタ劇もとりあえず終わりを迎えます。このブログを書いているのはカナダのトロント国際空港。昨夜の10時に終わったパーティーのあと、午前2時に起床し、5時の飛行機でセントジョンからこのトロントに着き、13時発の羽田行き便の待ち時間を利用してお伝えしています。これから13時間かけて東京に向かいます。疲れるな~、しかも、その後はワタクシだけがそのまま長野県で開催されるジオパーク全国大会に移動することになっています。様似に帰るのは月末。帰ったら、机なくなってるんじゃないかと不安のワタクシなのです。(タク)

2014年09月22日

第6回ジオパーク国際ユネスコ会議inカナダ④

さて、国際会議中日のこの日は、ハンマーストーンジオパークを体験する巡検がありました。いくつかのコースに分かれている中の一つに参加。

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まずは、バスに乗って市内見学です。

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この日は日曜日。市街中心にあるキングススクエアという公園では、なにやらイベントも行われていました。カナダはエリザベス女王が元首の立憲君主制。この公園も空から見るとイギリスの国旗・ユニオンジャックの模様となっているそうです。

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中心街には、古くは17世紀の建物があるなど入植の最前線だったこの地の歴史を感じさせます。

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ところで、セントジョン市は大小の深い入り江を持つ独特の地形。初日にここの干満の差は世界一だということをお伝えしましたが、その様子も見学できました。上の看板写真の右下方向には海が、左上方向には深い入り江(湖?)が広がっていますが、ちょうど私たちがこの写真の真ん中付近の見晴らし場所に行くと、右下の海方向から左上の入り江方向に、ものすごい勢いで水が流れていました。

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つまり、この時は満潮に向かっている時で、数キロもの距離を海水が上流の入り江に向かって遡上していたのです。ちなみに、上の写真の工場は製紙工場。なにやら王子製紙と関係(系列?解説はもちろん英語なので???)があるらしい。

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これは、看板写真の下あたりにある展望台からの眺めです。

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なお、この入り江周辺ではこんなアクティビティも!違うコースのメニューで我々は体験しませんでしたが、結構な高さ。ワタクシには無理だったかも、、、

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さて、ロブスターロールのサンドウィッチをほお張った後の午後からは、一転してジオツーリズムらしいところへ。ここは、IRVING自然公園というところ。砂浜に降りてジオガイドさんのジオ話が始まりました。

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何回も言いますが、ガイドの言語は英語。しかも話はジオロジー。はっきり言ってちんぷんかんぷんです。でも、AriやTamaちゃんのフォローでなんとかついていきます。

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話の内容はよく分からないのですが、感心したのがいろいろな道具を使っての解説。これは奥の地層が氷河によって削られたものらしく、氷河がどのように地層の上を流れるのかを板と氷を使って参加者に体験させていました。ボランティアでAriとKatopanがお手伝い。

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こちらは、参加者に魚の死がいになってもらい、化石がどうやってできるかを楽しく説明している場面。死がいの上に何枚も被せた布は堆積した地層を表現しています。こんなのも楽しく分かりやすくする工夫で感心しました。

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日曜日とあって、この公園にはたくさんの車も来て散策を楽しんでいました。一見何の変哲もない砂浜を家族やカップルが歩いたり、座ったりして休日を静かに楽しんでいる姿は、少なくても北海道では見られない光景ですね。

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さて、巡検最後はアクティビティが待っていました。この入り江でのカヤックです。挑戦したのは、Tamaちゃん、Ari、Katopanにワタクシの4人。Sakashita町長とSakai議長は危機管理上問題がある(笑)との理由で見学となりました。なお、カメラを持ち込んで万一ひっくり返ってでもしたらと写真はなし。想像でお願いします。

さて、今日(現在、現地時間22日の午前6時40分)はいよいよ会議最終日。ワタクシの発表もあり最後のひと踏ん張りです。その様子はまた後ほど。(タク)

 

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