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2011年01月06日

一年の豊漁を願っての初セリです

日高中央漁業協同組合様似支所で新年初売会がありました。

漁業にとっても厳しい時代ですが、何といっても漁業や水産加工業は様似の基幹産業。ほどほど獲れて、高値安定のセリが続くといいですね。そのためには少しでも景気が上向くことを願うばかりです。

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さて、初セリの主役はババガレイ、アカガレイ、オヒョウ、マツカワといったカレイたち。仲買のUさんは「こりゃ、オヒョウじゃなくてコヒョウだな。」などといっていましたケド…。冬の鍋には欠かせないビッグなマダラ。赤い姿が鮮やかなメヌケ(目抜)もありました。深海魚のメヌケは釣りあげられる際に水圧で目が飛び出ることから「目抜け」と呼ばれるそうです。「サガ」のほうが正しい呼称かしら。

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今年はぜひ、活気あふれる浜だとイイナ。(タク)

2011年01月05日

冬のジオサイト巡りもなかなかですよ

お正月休みで家を空けていたため、4日ぶりのご無沙汰です。いよいよ明日から業務スタートですが、ブログネタさがしに「プチジオコース」まわってきました。

様似駅のある大通市街から、車でえりも方面へ向かうと、砂浜とアポイ岳が目の前に現れます。アポイの手前の海岸段丘の斜面に、様似山道(冬島~幌満間)と同じく江戸時代からあったとされる「平宇山道(仮名)」の跡が見えます。冬島~幌満間ほどではないにしろ、このあたりも昔は時化になると砂浜を通るのが難しかったのでしょうね。雪のおかげで、木立が切れて斜めの道路跡がよくわかります。

アポイ山麓の入り口付近で、なにやら船が作業中。このあたりは昆布の漁場整備で重機を積んだ船をよく見かけますが、この形はあまり見かけません。岸から100mほどなので、大声で聞いてみようとも思いましたが…寒いし止めました。後で誰かに聞いてみます。


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冬島漁港を過ぎて、ジオサイトD4「大正トンネルの花崗岩類」に行ってみました。このあたりは、日高耶馬渓と呼ばれる約6kmの海食崖の中でも難所のひとつで、アイヌ語で「チコシキリプ(我々を捨てて走らせるもの)」と呼ばれていたそうです。和語にすると何やら意味不明ですが…。

散策中にエゾシカとご対面。ナンマイダ、ナンマイダ…。付近の崖は茶色の片麻岩ですが、ところどころ緑灰色の岩が見られます。これはマグマが冷えて固まった花崗岩類で、片麻岩の層に貫入しているものです。花崗岩の硬さが浸食に耐えたのか、海に突き出るような地形となったため、江戸時代の人々は、写真手前を波を避けながら通行したそうです。明治以後はトンネルができましたが、ここには江戸時代から続く5代の道が並んでいるんですよ。

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上写真右端に映っている昆布小屋裏には、オホナイの滝(通称:円館の滝)と呼ばれる名瀑もあります。この滝は年中枯れることはなく、瀑下には観音さん(?)もあります。小屋の持ち主Eさんに聞いたところ、「ナミキリフドウさん」と呼ばれているそうで、昔は浦河からお大師さんがお参りに来て餅まきなども行われたそうです。ここには、ジオサイトが二つあり、日高耶馬渓の断崖も見ることもできます。道路は切り替わった旧国道ですので、あまり車を気にせずに散策することもできますよ。

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幌満峡にも足を延ばしてみました。写真は、ジオサイトA3「ゴヨウマツ記念碑」とA4「不動の沢」。雪が降るなか、なかなかの風情です。道路は除雪されていましたが、冬の幌満峡ではできればジープやRV車がおすすめです。

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ゴールはJR様似駅。日高本線の終着(始発)駅です。雪の中のジオサイト巡りもけっこうイケるかもしれません。ただし、ダウンジャケット、毛糸の帽子と手袋、ズボン下には股引が必要かも。できればあったかい長靴もあるとバッチリです。(タク)

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2011年01月01日

穏やかなお正月、ジオ的視点で初詣

明けましておめでとうございます。今年もアポイ岳ジオパークと様似町をどうぞよろしくお願いします。

年末は大雪のうえ、大晦日は風が強い日でした。例年除夜の鐘に合わせて行っていた初詣も、「寒いから…」と普段の出不精虫が現れて早々に断念。でも、朝は風も止み穏やかな年明けとなりました。

午後から、近くの住吉神社に初詣に出かけ、家族の健康と、一応ジオパークの発展をお願いしてきました。引いたおみくじは見事「大吉」。もはや神頼みしかできないわが身にすれば、なかなかのスタートです。

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ところで、初詣ついでにジオパーク歴史編を少し。(以下は、元様似町郷土史研究会会員の森勇二さんが町広報誌に連載した歴史探訪からの引用です) 

住吉神社の境内には、珍しいものが二つあります。一つは、「バトウクワンセヲン(馬頭観世音)」とカタカナで刻まれた碑。様似の初代首長ともいえる様似郡最初の副戸長となった竹本勘兵衛が明治4年に寄進したものです。もう一つは、「庚申」と刻まれた碑。「庚申」は、病魔を払い除くという「青面金剛」のことで、仏神です。寄進者は不明ですが、「バトウ…」と同じ石で同じ年なので、こちらも竹本が寄進したと考えられます。珍しいのは、仏神が神社の境内にあること。明治元年に神仏分離令が公布されているので、普通はあり得ません。住吉神社が今の場所に立つ前からあったもので、当時広い境内をもっていた等澍院に竹本が寄進したものがそのまま残ったと推測できます。

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 石はたぶん、ひん岩(安山岩質)じゃないかと思います。ジオをやるようになってから、「これは何の石かしら」と気にすることが多くなっている自分がイヤですけど…。エンルム岬からとってきたかもしれません。

さらにもう一つ貴重なものは、白御影石の手水石です。これは、彦根藩薩摩村出身で、江戸時代の様似場所請負人だった近江商人・佐野専左衛門所有の長徳丸船頭・幸次郎と、様似場所支配人・忠蔵が、安政4(1857)に、住吉神社の前身である弁天堂に奉納したものです。

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「何の石?」という疑問だけじゃなく、歴史を探求するのも、アポイ岳ジオパークの「ジオ的視点」なのです。(タク)

2010年12月30日

一年の締めくくりは酒と雪

スタッフ一同で年忘れやりました。場所はア○イ○荘。この日は町内の某会社の大宴会も入っていたらしく、厨房は大変だったようです。

献立を少し紹介します。一つは、今の時期よく獲れる「母(ババ)カレイの唐揚げ」。名前は(失礼な話ですが)外見からきているのかしら。本州では「ナメタガレイ」の名で親しまれています。何といっても煮つけがウマいのですが、この唐揚げも外カリカリの中ホクホクがなかなかのものです。もう一つは酒席には欠かせない「真ツブのお刺身」。様似産は味・大きさともに超一級品。コリコリの食感、いつもながら最高でした。

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翌朝、またもや積雪。北海道の中でも雪が少なく、「雪かき」じゃなくて「雪はき」で済むくらいの日高地方ですが、4日前の記録的大雪に続く災害(?)に少々げんなりです。せめて、お正月はおとなしくしてほしいと思うのは私だけ?(タク)

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2010年12月29日

カプセルの中は「かんらん石」だって!?

多少古い話ですが、 「はやぶさ」が小惑星イトカワの微粒子を持ち帰った話に日本中が盛り上がりましたね。

アポイ岳ジオパーク(様似町)の人間は、このニュースにかなりビビッときました。だって、カプセルの中にあったものが「かんらん石」と「輝石」ですもの。「なにっ!かんらん石?」と多くの様似町民が新聞の活字に、ニュースのコメントに過剰反応したのです。

遠い宇宙から持ち帰った「はやぶさ」のけなげさだけでも感動モノなのに、持ち帰ったものがアポイの「かんらん岩」の主要鉱物だなんて、これはいったい?……という驚きの反応なのです。

なにせ、わが町はかんらん岩の小石を見て、「オリビンでしょ。」とかんらん石の学名まで口にするという土地柄。アポイ岳を形づくっているのが、地下深いマントルから現れた「かんらん岩」で、なにやら珍しいんだと……というのは様似では定説となっています。

「はやぶさ」が持ち帰ったものは、目に見えないほどの微粒子だけど、アポイのかんらん岩は実際に手にとって、そのオリーブグリーンを見ることができます。アポイのかんらん岩をカプセルといっしょに飾ってくれないかな~。(タク)

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