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2011年06月07日
観音山情報06:6/6
とうとう今年も終わってしまいました。観音山の妖精たちのリレーです。
昨日の観音山の様子はと言うと…
まるでジャングル、というのは大げさですが、すっかり背の高いセリ科のシャクなどが生い茂って、わずかに残っていた前回までの主役の一人オオバナノエンレイソウ(写真中央下)はすっかりしわしわになって、それらの陰に隠れてしまっていました。
というわけで、今シーズンの春の妖精たちのリレーもついにゴールを迎えたことになります。
ところで、なぜ春の妖精と呼ばれるのか?について、もう一度おさらい。この観音山情報で今年これまでにご紹介してきた花たちの多くは、雪解け直後から咲きだし、他の草花が大きくなるころにはすっかり枯れてしまいます。その様子から、英語で「スプリング・エフェメラル」、直訳すると「春のはかないものたち」と呼ばれているのです。
でも、実はこれ、ライバルの少ない早春に咲くことで受粉を手伝ってくれる虫たちの目を引いたり、上の写真のように周りの背の高い草の陰になってしまう前に一気に咲いて、たっぷりと太陽の光を浴びたりするためなのです。妖精たちは、実は結構したたかな戦略家だったんですね。
ところで、華やかな妖精たちのリレーは、また来年までお預けですが、それ以外にも観音山にはいろんな花が咲いていましたよ。
これは、山菜としても人気のユキザサ(アズキナ)
こちらはヤブニンジン
こうした脇役?たちもじっくり見てみると、華やかさこそありませんが、清楚な感じでこれまた違った魅力がありますよね。
観音山、新たなステージに突入です。
(krmd)
2011年06月06日
アポイ岳情報05:6/5(ピンネシリ&吉田岳含む)
*今日はちょっと長いです
6/4-5の週末、様似山岳会&アポイ岳ファンクラブ主催による「第8回 アポイ岳安全登山・盗掘防止研修会」が開催されました。この会は「アポイ・ユウパリ交流学習登山会」も兼ねています。様似町のアポイ岳ファンクラブと夕張岳の保全に取り組んでいるユウパリコザクラの会の交流を目的に、毎年交互にそれぞれの山に一緒に登って親睦を深めようと始まったもので、今年はアポイ岳の番だったというわけです。今年はユウパリコザクラの会から7名もの方にお越しいただきました。
土曜日の夕方、アポイ岳調査研究支援センターを会場に、まずは真面目に研修会でスタート。ユウパリコザクラの会の水尾事務局長から、昨年度夕張岳で実施されたエゾシカ高山植物被害防止事業(高圧電流の流れる柵を設置し、シカから高山植物を守ろうという実験)について報告いただきました。水尾さんからは、実際に事業に携わられた方ならではのウラ話を含めた貴重な体験談をお話いただき、エゾシカ問題に頭を痛めるアポイ岳関係者にはとっても参考になりました。
そして夜は当然懇親会。恒例の山菜てんぷら、白貝の酒蒸しなど地物食材を中心とした料理でおもてなし。ユウパリのみなさんにもご満足いただけたでしょうか。
翌日曜日はピンネシリ~アポイ岳の縦走登山です。朝6:00にセンターをバスで出発し、30分ほど林道を進んだ先のピンネシリ登山口へと向かいます。途中、バスの前を走るヒグマに遭遇し、車内は大盛り上がり。あっという間のことで、残念ながら写真は無し。登山中でなくて良かった…
いよいよ登山口、通称ガンビの神様から登山開始。今日は16名が参戦です。
開始直後からのあいにくの濃いガスの中を、花たちに励まされながら登ります。上はウラシマツツジ、下がシラネアオイ。私の前を行く地元のSさんは、盛んに「あー」と「うー」とか言いながら登っています。さては昨晩の大吟醸が相当効いている様子。途中ではナキウサギの鳴き声も聞こえましたよ。
2時間20分ほどでピンネシリ頂上に到着。天気が良ければ大パノラマが望めるのですが、残念。ここからさらに南へ進み、吉田岳へ向かいます。
サマニユキワリの群生
アポイキンバイ
2時間弱で吉田岳頂上到着。ユウパリの会の方々は、流石に夕張岳を拠点にしているだけあって、全く平気な様子。最後のピーク、アポイ岳へ向けてすぐに出発。
吉田岳とアポイ岳の間は高山植物の宝庫。上:ヒダカイワザクラ、中:エゾキスミレ、下:チングルマ
吉田岳から小1時間でとうとうアポイ岳に到着です。
登り始めからアポイ岳までガスが晴れることはなく、せっかく遠方から来てくれた方々に申し訳ない気持ちにもなっていたのですが...アポイ岳から下りはじめると少しずつガスがとれ始め、ようやく太平洋も姿を見せてくれました。
さて、肝心のアポイ岳の花。依然として半月ほどシーズンが遅れているのですが、この日は8合目~馬の背ではサマニユキワリ、エゾキスミレ、アポイアズマギク(写真)が満開、チングルマも開花し始めており、ようやくハイシーズン突入といった状況になってきました。様子見をしていたみなさんもぜひお越しください。
登山開始から約8時間後の14:30頃、全員怪我もなく無事下山終了。ユウパリのみなさんとは、「来年夕張岳で会いましょう」を合言葉にお別れしました。参加されたみなさん、お疲れさまでした、そして大変ありがとうございました(ごめんなさい。下山後の集合写真を撮り忘れてしまいました)。
(krmd)
2011年06月04日
アポイ米の田植えをしました
久しぶりに朝から天気が良く、ぽかぽか日和の週末土曜日の今日、町内田代地区で様似町教育委員会など主催の「お米づくり体験」の1回目、田植えが行われました。
家族参加を中心に、約50人が参加。田んぼがない隣町、えりも町からも多くが参加してくれました。
今日田植えをするのは、写真左側の空いたスペース、その長さ150m。ここに12列に苗を植えていきます。
田んぼを提供してくれた農家のOさん。様似町の低農薬特別栽培米「アポイ米」づくりの中心人物の一人です。もちろん、今日の田んぼも低農薬で栽培してくれます。
Oさんから、「苗を2~3本ずつ、深さ2cm位まで土に刺すこと」といったレクチャーを受けて、いざ開始。
みんな慣れない田んぼの泥に悪戦苦闘しながらも、やさしく苗を植えていきます。一昔前までは、日本中のいたるところでこうした風景が見られたんですよね。
最初は「うわー、足がうまるー」「ぬるぬるして気持ちわるーい」などとおっかなびっくりだったこどもたちでしたが…
すぐに馴れて、こんな風にすっかり泥だらけ。
1時間ちょっとで田植えも無事終了。左側が機械で植えた部分、右側がみんなが植えた部分。その違いは一目瞭然ですね。
でも、こうして蛇行していたほうが、なんとなく温かみを感じるのは気のせい?
お米づくり体験は、この後も生育観察(花の観察)、稲刈り、脱穀・精米と3回行われ、10月下旬には自分で植えて収穫したお米を食べられる予定。
どうかどの苗も順調に育ち、おいしいお米が育ちますように!
(krmd)
2011年06月02日
天気続かないね~が最近の合言葉
今日も小雨交じりの寒い一日…。今年はなかなか暖かくならず、天気もどういうわけか週末になると崩れ気味で、少々ウンザリ。
先日のジオ塾・アポイ登山が雨天中止となったことは昨日のkrmdさんのブログのとおりですが、イヤになっちゃいます。
それでも、季節外れの台風2号から変わった低気圧が過ぎた一昨日は台風一過となり、昼休みにちょっとドライブしてきました。
晴天なのですが、空気がかすんでアポイもよく見えません。しかも低気圧の影響で、海は大シケでした。
親子岩の辺りもこのとおり…。
でも、ちょっと山に入ると木々が萌えてちょっとは初夏の雰囲気に…。
ファインダーを向けると、「アンタ、何見てんのさ~」と言わんばかりに、黒鹿毛の方が急接近…。
ご機嫌斜めのようなので、早々に退散してさらに山奥へ…。
西様似と岡田を結ぶ峠に広がる草原。ちょっと美瑛の丘の風景にも似てませんかネ。ここは通称「一本杉」と呼ばれているSさんちの牧草地で、昔はよくここでスキー大会なんかも行われました。
左端にもしっかりとアポイ岳入っているの、分かります?
ところで、様似町では、アポイ岳をテーマとした「第1回さまに写真コンテスト」を実施中(4/1~7/31)です。グランプリ作品にはナント賞金10万円。
すぐに、アポイ岳ジオパークHPをチェックして、来たれ、様似へ!地元の人もぜひ参加してネ。
2011年06月01日
ふるさとジオ塾②を開催しました
先週5月29日(土)に今年度のふるさとジオ塾の第2回講座が開かれました。
本当ならアポイ岳に登り、花たちを観察する予定でしたが...、前日からの雨は朝になっても止まず、あえなく登山は中止に。午後からの座学のみとなってしまいました。
座学には約20名の塾生が参加しました。
講座の1コマ目は、「アポイ岳ジオパークをもっと楽しむために、これだけは知っておきたいジオのこと」。講師は当スタッフが担当。内容は、ジオ(地質学、地球科学)の全くの素人(スタッフ)が、ジオの素人(塾生)のためにまとめたもので、地球の内部構造や表面構造と地球の活動のこと、日高山脈の成り立ちなどについて、小学生向けの図鑑レベルを意識して資料を作り、お話ししました。
上は、日高山脈の成り立ちを説明するのに当日使用したプレゼンの一部。シンプルで分かりやすくを心がけたのですが、塾生のみなさんには理解していただけたかな?
2コマ目は、当日登っていたとすれば出会えたであろう花たちについて、様似郷土館の田中学芸員が紹介。
豊富なスライドを見て、塾生のみなさんもバーチャル登山を楽しめた様子でした。
それにしても、ジオ塾でのアポイ岳登山の雨天中止は昨年度に続き2年連続…。スタッフの日頃の行いか?
(krmd)