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2011年06月24日

アポイ岳情報08:6/23

昨日のアポイ岳の花の状況です。

まずは、とうとう咲きましたよ! 何がって? これですこれ。

 

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じゃーん。ん?誰ですか、今「変なタンポポ」って言ったのは?
変なタンポポではありません。アポイ岳の固有種、つまりここでしか見られない花「エゾコウゾリナ」です。5~8合目間でぽつぽつ見られるようになってきましたよ。

そのほかに目につくようになってきたのは、アポイゼキショウとチシマキンレイカです。

 

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アポイゼキショウ。7合目から上の登山道付近に結構咲いていますが、高さ10cm程度しかなく地味なので、見逃さないようご注意ください。
チシマキンレイカ(タカネオミナエシ)は、まだ数は少ないですが、馬の背から上で咲き始めました(写真は6/21の当ブログで)。


前回のアポイ岳情報(6/16)で開花報告し、その時点であと1週間ほどで終わってしまうかもとお伝えしたアポイクワガタですが…

 

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やはり、花びらが落ち始めていました。全国のアポイクワガタファンのみなさん!?今週末がラストチャンスかも知れませんよー。

 

その他、区間ごとの概況を言いますと、登山口~5合目はゴゼンタチバナが見ごろ、ジンヨウイチヤクソウやギンリョウソウがちらほら。5合目~馬の背では、エゾタカネニガナとヤマツツジが見ごろ、キンロバイがちらほら、アポイアズマギク・キタヨツバシオガマ・チングルマが終わりかけ。馬の背~頂上では、ミヤマオダマキとアポイゼキショウが見ごろ、アポイアズマギクはここではまだ元気、キンロバイ・チシマフウロ・アポイカラマツ・アヤメがちらほら。といった状況でした。

 

さて、本日の登山の目的は、ジオサイトサイン(アポイ岳の見どころに設置した解説看板)の補修でした。サイトサイン類は様似町内の55箇所に設置されていますが、昨年秋、アポイ岳~ピンネシリの登山道上にも設置しました。


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これが昨年秋の設置時の様子。車は入れませんし、ヘリで運ぶ予算もありませんので、当然、運ぶのは人力。軽そうに見えますが、看板は10kg近くあります。主力は地元アポイ岳ファンクラブのメンバー。その節は大変お世話になりました。

 

看板設置(H22.10.24)-029.jpg

風などで倒れないよう、深めの穴を掘り、しっかりと基礎まで入れて立てました。

こうして設置したものの、一冬越えて、2箇所で看板のガタつきが生じてしまっていたため、今日は修理にきた作成業者さんと一緒に登ったという訳です。

 

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作業中のこの方、電動ドリルなどのヘビー級工具をぎっしり詰め込んだリュックを背負っているのに、おにぎりと水しか背負っていない私と同じペースで登ってました。さすがプロ。


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その一方で、そろって「登山は子どものとき以来」と言う社長のKさん(奥)と広告代理店のIさんは、かなりへばり気味。みなさん、お疲れ様でした。

 

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さて、すっかりガタつきも治まってリフレッシュしたサイトサイン。登山道沿いのサイトサインはこれを含めて全9箇所。アポイ岳だけでなく、吉田岳やピンネシリ頂上にも設置してます。解説の内容は、アポイ岳の名前の由来や、ちょっと得する?ジオ(地質)のことなど、場所によってさまざま。

みなさん、ぜひアポイ登山の折にこの看板に気づいたら、ぜひ解説文も読んでみてください。アポイ登山の楽しみがぐっと広がるはずです。
(krmd)

2011年06月22日

ボラレンがやって来た!

先週の土曜・日曜日、北海道ボランティア・レジャー協議会の会員17名が様似町を訪れ、アポイ岳再生地のササ刈りをしてくれました。今年で5年連続となり、地元ファンクラブとの交流も深まっています。

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ボラレンの皆さんは植物好きが多いようで、登山道沿いの目立たない植物にも興味を示していました。(今アポイで盗掘の標的になっている?イチヨウラン)

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次の日は、アポイ岳ジオパークのサイト巡りで、日高耶馬渓エリアの冬島の穴岩から角閃岩の褶曲~幌満峡エリアを満喫! ゴヨウマツ自生地から川に降りると、またまた興味をそそる植物が・・・一同、大満足の研修会だったようでした。

2.DSC_2350HP.JPG

岩に上には、ハマナス、エゾカンゾウがきれいでした。(シカも無理らしい!)

 

3.DSC_2352HP.JPG

岩石より花、花より団子・・・楽しくなきゃ続きません・・・同感です。

来年もお待ちしております。(オオハンゴンソウ抜きはどうでしょうか?)

 

5.DSC_2374HP.JPG

 

6.DSC_2378HP.JPG

 

7.DSC_2384HP.JPG

マイナーな植物ですみません。上から、エゾノジャニンジン(私の大好きなハワサビ)、アポイタヌキラン(なぜランの名が?)、モウセンゴケ でした。      (horoman)

2011年06月21日

夏に突入のアポイに、身も心も...

今日、日本ジオパークの連載を行っている某アウトドア雑誌の取材案内のため、T学芸員とアポイ岳に登ってきました。

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ところがこの日の北海道は、今年一番の暑さ。様似も市街ではそれほどではなかったようですが、アポイ岳は登山口から山小屋まではセミの大合唱、山小屋からは直射日光が私たちに容赦なく襲いかかってきたのです。

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ということで、取材風景を撮影する気力もなかったので、登山道沿いの咲いていたお花を少しご紹介します。これは、ミヤマハンショウヅル(6合目付近)。

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アポイヤマブキショウマ(6合目付近)も咲き始めました。ヤマブキショウマとは葉の形や光沢に違いがあります。

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そろそろ終わりのアポイクワガタですが、馬の背下のガレ場にはたくさん咲いていました。

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アポイハハコも同じガレ場で花をつけ始めています。

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カメラマン泣かせのアポイカラマツ(8合目付近)もこのとおり。

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登山道脇の岩場の影に咲いていたチシマキンレイカ(8合目付近)。

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ミヤマナナカマド(8合目付近)。

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かろうじて咲き残っていたアポイちゃん(サマニユキワリ)。

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そうそう、忘れていましたが、一属一種のエゾコウゾリナも5合目付近から花開いていました。この他にも、エゾタカネニガナ・ヤマツツジ・ヒロハヘビノボラズ・ヨツバシオガマ・アポイアズマギク・ミヤマオダマキ・ハクサンチドリなどが咲いていましたが、省略します。

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それにしても、汗だくの登山でした。こんなに暑くて高山植物たちは大丈夫なのかしら…(タク)

2011年06月20日

運動会でアポイ登山!?

昨日、6/19は様似小学校の運動会でした。

 

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今年から様似小学校と鵜苫小学校が合併したので、町内唯一の小学校運動会となりましたが、初夏らしい日差しの中「勝利というゴールに向かってかけぬけろ!!」のスローガンのもと、みんな一丸となって力いっぱい頑張っていました。

 

さて、下のプログラムの写真を見て、何か気がつきませんか?

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単走(徒競争)や玉入れなどのオーソドックスな種目の中で、ひときわ輝く種目が!

 

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なんと、「アポイ登山」です! そうです、様似小学校の運動会では、3年生がアポイ登山で競い合うという伝統があるのです!

運動会で山登りとはさすがアポイ岳ジオパークのまち、様似。3年生は3番目の種目「80メートル単走」が終わるとすぐさまバスで登山口まで移動し、登山開始。頂上まで競争しながら登り、その後、12番目の「おこせ!たつまき」に間に合うように下山してくるのです。なんとすさまじい種目でしょうか。

 

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というのは、もちろん冗談。アポイ登山とは、上の写真のように垂直に立てた竹を登り、旗を取っていくという競争です。

 

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紅白2組に分かれ(写真は白組)、下から順に1人1枚ずつ取り、リレーしていきます。

 

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当然、後ろの子ほど高く登らなければならないので、きつくなっていきます。でも、みんなはだしで勢いよく登って次々と旗を取っていきます。

 

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バトンの代わりにリュックを引き継ぐという芸の細かさが泣かせます。

 

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これがアポイ岳の頂上。子どもたちにとっては、まさに標高810m級の高さでしょう。この競技、数十年間も続く伝統種目の一つです。

ちなみに今年は赤組が先に頂上の旗を取り勝利しましたが、白組との差はわずか。両チームとも本当に頑張り、頂上を制覇しましたよ。

 

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運動会開始直後は頂上が雲に隠れていた本物のアポイ岳も、この競技が終わるころにはすっかり姿を現しました。まるで、こども達に声援をおくっているかのように。

(krmd)

2011年06月16日

アポイ岳情報07:6/16

今日は北海道日高振興局主催の盗掘防止合同監視登山の日でした。

 

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道の関係機関、道警、役場そしてアポイ岳ファンクラブなどの総勢26名が3班に分かれて登山開始です。

私は幌満コースの班。このコース、昔は登山道として利用されていましたが、盗掘防止等のため現在は立ち入りが禁止されています。許可なく立ち入ると罰せられますのでご注意を。

さて、立入禁止になっているためでしょうか、道沿いには彼らの痕跡がいたるところにありました。

 

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登り始めて、すぐにどーんと落ちていたのはこれ。そう、ヒグマのフンです。さらに進むと、

 

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斜めに倒れたトドマツの皮が不自然に剥けています。これは…

 

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ヒグマが爪でがっつりと引っ掻いた跡でした。私が手を伸ばしても届かない位置に爪痕がありましたので、もし立ち上がって引っ掻いたのであれば、かなり大きなクマでしょう。

さらにその先には、こんなものも。

 

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キタゴヨウの樹皮がべろっと向けています。よーく見ると…

 

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ヒグマの毛がもしゃもしゃくっついていました。おそらくここで背中をこすった跡だと思われます。このように、立木に爪をたてたり背こすりをしたりするのは、ヒグマが自分の存在を誇示するための行動だと考えられています。

実はこの道、別の用事で私は1週間前にも通っていて、その時、既に一番上の写真の斜めトドマツに爪痕はありました。でも、今日はさらに同じ木の別の場所に爪痕がついていたのです。つまり、この1週間の間にまたここをクマが通り、爪を立てたことになります。

また、写真はありませんが、途中ではマムシもいました。もしかしたら、この閉鎖され通行が禁止された登山道を悪い人間が通らないよう、ヒグマやマムシたちが守っているのかも知れませんね。

 

さて、無事にクマや怪しい盗掘者に出会うこともなくアポイ岳の頂上に着き、帰りはこのブログでお知らせする花の状況を確認するために、通常の登山道を降りました。

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馬の背から上では、チングルマとミヤマオダマキが見ごろを迎えていました。

 

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そして馬の背下のお花畑では、今年初登場!アポイクワガタがたくさん咲いていました。1週間前に登ったときはまったく見られなかったので、この数日のうちに急激に咲いたようです。これはしばらく楽しめそうかな、と思ったのですが、T学芸員によるとこの花は開花期間がとても短く、あと1週間も持つかどうか、とのことでした。全国のアポイクワガタファン!?のみなさん、早く見に来ないと、終わってしまいますよー。

 

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これは馬の背から見た今日の風景。本来なら太平洋が望めるはずですが、今日は雄大な雲海が広がっていました。雲海の下だった様似の市街地は昼過ぎまでずっと曇りだったようですが、アポイの上は暑いくらいの非常に良い天気。この素敵な景色、頑張って登った私たちへのご褒美だったのかも。

(krmd)

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