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2011年07月01日

かんらん岩がもたらす様似の産業を学んでいます

様似中学校1年生の総合学習の話題は、6/29のKrmdさんのブログでも紹介されていますが、ワタクシも別の班のお手伝いで、幌満峡に行ってきました。

同行した班は、幌満峡にあるダムと東邦オリビン工業のことを調べています。幌満峡上流にある幌満ダムで、このダムを管理している日本電工の高橋課長さんと待ち合わせ…。

中1総合学習・ダム挨拶.jpg

気恥ずかしさが先だって、子どもたちの挨拶、しどろもどろになっちゃってます。

挨拶の後は、ぶつけた質問に応えてくれる高橋課長の話を一生懸命メモして…。

中1総合学習・メモ.jpg

また、普段は入ることのできないダムの上を通り向こう岸まで連れて行ってもらいました。ダムの堤高は42.5m。思わず足がすくみます。

中1総合学習・ダムの上.jpg

このダムによって蓄えられている水はこのとおり。春先の雪解け水でいっぱいになった貯水湖の水を上手に利用しているのです。

中1総合学習・貯水湖.jpg

幌満ダムは東邦電化(現日本電工)が昭和29年に建設した発電用ダムで、民間企業が所有するものとしては日本最大の貯水容量(15,380㎦)を誇っています。幌満峡には、2つのダムと発電所があり、あわせて約10,000kwの電力を生み出し、えりも町の全電力を賄っているとともに、様似町内にあるアルミ電解コンデンサ用電極箔を製造している日高エレクトロンに融通しています。 

対岸には、このダムをつくった人の銅像が静かにダムを見つめています。その人は「手塚信吉」。この発電所や合金鉄電炉工場を建設するなど、様似の産業に大きな足跡を残した人です。

中1総合学習・銅像.jpg

続いて生徒たちは3kmほど下流の第3発電所へ移動。幌満ダムで蓄えた水を、2km余りの圧力隧道を通じて下流の発電所に流し、その位置エネルギーで発電しているのです。

中1総合学習・第3発電所.jpg

歴史を感じさせるその建物の中では、2つの発電機がけたたましい音を立ててフル稼働中。

中1総合学習・発電機.jpg

さらに一行は、幌満川下流の東邦オリビン工業のかんらん岩採石場へ。

ここは、手塚信吉が発電所をつくった際に、非常に硬いかんらん岩に着目して設立した会社で、かんらん岩を鋳物砂や製鉄の造滓剤、苦土肥料などとして生産しています。採石場では横見所長がいろいろな質問に答えてくれました。

中1総合学習・オリビン採石場.jpg

工場プラントもつい最近新しくなり、採石したかんらん岩はベルトコンベアーで対岸の工場に送られています。

中1総合学習・オリビンプラン.jpg
中1総合学習・オリビンベルト.jpg

プラント見学後は、事務所で用意した質問を石井次長にぶつけます。石井次長もやさしく分かりやすく説明してくれましたヨ。

中1総合学習・オリビン事務所.jpg

幌満峡は、地下深くから現れたかんらん岩という特殊な岩石でできている渓谷。その地形や地質が地域の産業に結びついています。

中1総合学習・オリビン前撮影.jpg

アポイのかんらん岩が自分たちの生活に密接につながっていることを発見できたかナ?今回見知ったことをぜひいい形で発表してください。楽しみにしているゾ。(タク)

2011年06月30日

いや~、何十年ぶりに来たわ。様似っていいね~!

先日、様似町消費者協会の皆さんとジオサイト巡りに行ってきました。

これは、同会の設立40周年記念事業として行われたもの。当日は雨模様が予想されましたが、皆さんのパワーで見事最後まで雨に当たることはありませんでした。

最初はエンルム岬に上がって、かる~くアポイや奇岩の成り立ちなどのジオ話。でも、様似に何十年と暮らしている皆さんですので、話は徐々に昔のことになるのです。

観音山では展望台からの眺めを満喫。

11消費者協会・観音山展望台.jpg

日高耶馬渓では、たまたま居合わせた、漁師でアポイ岳ファンクラブ会長のTさんをつかまえて海食崖植物のレクチャーもしてもらいました。「ねえねえ、この草何て名前だったっけ?」などと、たちまちTさんを取り囲んで…。

11消費者協会・大正トンネル.jpg

幌満の和助地蔵尊では、江戸時代の旅人の苦労や様似山道のこと、幌満生まれで日本初のジョッキー・函館大経のことなどをご紹介しました。

11消費者協会・和助地蔵.jpg

また、幌満峡ではかんらん岩や東邦オリビン、日本電工の水力発電のことなどをご紹介。「いや~、何十年ぶりに来て懐かしかった。涙出る!」という方もいて、久しぶりの名勝巡りに感激した様子の皆さんでした。

11消費者協会・バス様子.jpg

サイト巡りの後は、アポイ山荘で記念式典と交流会、そのままご宿泊の方もけっこういたようです。皆さんの笑顔でガイド役も最低限の仕事はできたかナ?(タク)

2011年06月29日

ジオパークに登録して良かったことは?

今日の午前中、様似中学校1年生が総合学習のため町役場にやってきました。

今回の総合学習は、班ごとに様似町に関するテーマを決め、それに関連する施設や機関などを訪問し聞き取りを行うというもの。

そのうちの1つの班が「かんらん岩とアポイ岳ジオパーク」をテーマとしていたため、役場に聞き取りに来たというわけです。

 

ところで、事前にもらっていた質問はこれ。

IMG_0690[1]質問.jpg

うっ、「ジオパークにアポイを登録して良かった事はなにか」だって? これはかなり核心をついた質問だぞ。

生徒たちが真剣に考えてきてくれた質問ですので、こちらも気合いを入れて対応しなければ、ということできちんとパワーポイントでプレゼン資料を作り、まずはかんらん岩とジオパークについてのレクチャーから始めました。

 

DSC_2512全体.jpg

「どうやってかんらん岩は形成されたのか」という質問に答えるためには、地球の内部構造から、プレート運動、そして日高山脈の形成といったことまで解説する必要がありましたので、アポイ岳ジオパークの取組みのことと合わせ、小一時間ほど時間がかかってしまいました。

行きがかり上(というか、実は狙っていたのですが)、役場の他の部署に聞き取りに来ていた班の生徒たちにも聴いてもらいました。全く関係ないテーマだったのに長時間付き合ってくれたみんな、本当にありがとう!

 

さて、レクチャーの後、班ごとに机を並べて質疑応答タイムです。

DSC_2528ジオパーク班.jpg

これがジオパーク班の4人。みんなレクチャーをまじめに聞き、きちんとメモまで取っていてくれたので、スムースに進みました。かんらん岩のキュービクルを見つめるまなざしも真剣そのもの。

 

DSC_2533鼓動.jpg

最後には役場前のかんらん岩広場「アポイの鼓動」でいろんなタイプのかんらん岩に触れ、地球が生きていることを実感してもらいました。

今回の総合学習では、学習した内容を基に最後にそれぞれ新聞をつくるそうです。いやー、早く読みたい。

 

ところで、「ジオパークにアポイを登録して良かった事はなにか」という質問には、こう答えました。

「ジオパークになったことがきっかけで、今日、君たちがふるさとの魅力にまた一つ気づいてくれたことです。」

(krmd)

2011年06月27日

ようこそ、アポイ岳ジオパークのまちへ...

一昨日から今日まで、東京などからアポイ岳ジオパークにお越しいただいたジオツアーのお客様とご一緒させていただきました。

このツアーは、国内外で地質旅行を手がけている㈲ジオプランニングさん(東京都)が主催したもので、関東を中心に10名の石好きの方々が参加されました。

24日(金)に羽田から道東の中標津空港に降り立った一行は、根室や釧路などを経由して25日(土)の夕方、様似町入り。宿泊先はホテル・アポイ山荘です。

ジオプランニング・チェック.jpg

チェックイン後は、夕食前にアポイ岳ジオパークのミニ研修会を行い、アポイ岳と様似町の見どころをご紹介…。

ジオプランニング・研修会.jpg

私のつたない説明をカバーするように、たくさんの質問も頂戴しました。その後、私とHoromanさんとで夕食もご一緒させていただいたのですが、みなさん他のジオパークにもご旅行されるなどジオパーク通の方ばかり。ジオロジーの話やジオパークの話に花が咲きました。

ジオプランニング・乾杯.jpg

もちろん、せっかく様似にお越しいただいたのですから、海の幸を中心に様似づくしでおもてなしさせていただきましたヨ。

翌日は、朝早くからアポイ登山ということで、まずはビジターセンターで情報収集。他の石との重さ比べで、世界で一番重い岩石・かんらん岩を実感…。

ジオプランニング・重さ比べ.jpg

アポイの花のスペシャリスト・アポイ岳ファンクラブのSさんのガイドで、馬の背までの半日登山を楽しみました。

ジオプランニング・登山.jpg

そして午後からは、陸繋島のエンルム岬で様似の地質を俯瞰するなど、いくつかのジオサイトをバスで周遊。ガイドは様似自然・歴史情報センターのMさんです。

ジオプランニング・エンルム.jpg

また、途中、地元の海産物直売所の花蘂水産さんにも立ち寄り、巻貝の王様「真ツブ」など地元前浜の産品についてのレクチャーも…。社長のご厚意で真ツブのつぼ焼きも試食できました。

ジオプランニング・花蘂.jpg

そして、何と言っても参加者の皆さんが興奮されたのが、アポイのかんらん岩を採石している、東邦オリビン工業の旧採石場。かんらん岩はとても風化しやすく、自然の状態のものは表面が酸化して赤茶けていますが、採石場の岩肌はかんらん岩本来の色である、オリーブグリーンを見ることができます。事業所の所長さんからかんらん岩の特性や用途を解説していただいた後は、皆さん持参の岩石ハンマーを手に新鮮なかんらん岩をゲットしていました。

ジオプランニング・オリビン.jpg

2日目の夜は、市街にあるお食事処・弁慶さんに繰り出しました。登山とバスツアーを1日で回る強行軍でしたが、東邦オリビンの所長さんからプレゼントされたかんらん岩のキュービクルや文鎮の争奪ジャンケンで盛り上がるなど、元気いっぱいのジオマニアさんたちなのです。

ジオプランニング・ジャンケ.jpg

今日は、襟裳岬をまわって帯広空港へと帰路につかれた皆さん。無事に我が家に戻られたでしょうか?

ジオプランニング・記念撮影.jpg

また機会がありましたら、ぜひアポイ岳と様似町にお立ち寄りください。それまでにジオ解説を勉強しつつ皆様のお越しをお待ちしています。(タク)

2011年06月25日

今年の火まつりは...

 今年で41回目を迎えるアポイの火まつり。その行事内容が一部を除いて決定しました。

まずはみなさんがお楽しみにしている歌謡ショー。最近になって「今年の火まつりの歌手は

誰?」という問い合わせが多く寄せられています。

ズバリ!メインはキム・ヨンジャさんです。

キム・ブログ用2.jpgのサムネール画像

どうです。きれいな女性でしょう。50代とは思えませんねえ。歌を聴かずに見入ってしまいます。

キムさんは81年に韓国で発売した「歌の花束」が360万枚のビッグセールスを記録し(韓国では未だにこの記録は破られず)、一躍スターに。2000年にはニューヨークでダイアナ・ロスのスタッフとともにオリジナル&カバーソングをレコーディング。アジアだけにおさまらない国際派歌手です。紅白歌合戦には、ソウルオリンピック閉会式で10万人の観衆を前に歌った「朝の国から」で初出場。その後「川の流れのように」「イムジン河」で計3度出場しています。最近では6月19日NHKBSプレミアム「日本のうた」21日にはNHK「歌謡コンサート」に出演されました。

続いてのみのや雅彦さんは、みなさんも既にご存じでしょう。

みのやImg6099ブログ用2.jpgのサムネール画像

昨年の火まつりにも出演されて、トークと歌で笑いと感動を伝えてくれます。STVラジオでは

月曜から金曜までの午後12時から3時まで「ときめきワイド」でメインパーソナリティを務めています。昨年は様似の歌を作詞作曲し、会場で披露してくれました。今年も自分の番組で営業も含めて様似のことをたくさん語ってくれることでしょう。

その気さくな性格から様似でもファンが多く、マルサンくどうさんや駅前民宿のおばさんとも親交があるようです。今月にはデビュー30周年記念ベストアルバム「いい歌づくし」を発表し、いまノリに乗ってるみのやさん、火まつり当日だけではなく1週間前からのマイクパフォーマンスに期待しましょう。

二日目の(STVラジオ公開録音)歌謡ステージのトップを切るのがパフォーマンスグループ

一世一代時代組です。

 一世一代時代組ブログ用2.jpg

 今はまだメジャーへの道の途中ですが、その特異なパフォーマンスで注目を集め始めています。彼らは徹底したエコへの取組み(ゴミ拾い、エコバック、マイ箸)を実践しており、北海道のエンターテインメントに革命を起こす勢いで活動中。

 木曜や週末、大通公園、狸小路など札幌市内中心部をゴミ拾いしながら歩いています。また隔週、土曜日の22時から札幌狸小路3丁目でストリートパフォーマンスを続けています。

「ターゲットは全世代」で、全世代に高感度に届くプロモーションを、サムライスタイルでのゴミ拾い、道内各地様々なお祭りやイベントに出演し、会場を大いに盛り上げ、全世代に向けて地球温暖化や地球環境のことを考えるきっかけをパフォーマンスしながら伝えてくれることでしょう。  

さて、今回は8月7日日曜の歌謡ショー出演者だけをご紹介しましたが、もちろん火まつりはこれだけではありません。次回以降も火まつり情報をどんどんお知らせしますので、ご期待ください。 

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