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2020年08月31日

第2回のインバウンド向け幌満峡モニタツアーを開催しました

7月19日に、第2回の外国人向けのモニタツアーを行いました。このツアーの目的は外国人へのガイド対応研修や外国の方向けのアクティビティの模索、通訳とガイドの連携確認などたくさんのことを含んでいます。

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今回、幌満峡を探検することになりました。ジオラボアポイ岳の前で参加者と集合しました。この幌満ツアーも新型コロナウイルス感染症対策のためにALT3人、ガイドさん2人、ジオパークスタッフ1人、通訳者1人という、少人数で回りました。雨が降りそうな空の下で集まりましたが、幸いに雨は降りませんでした。今回のガイドさんを紹介してから、ワゴンに乗って出発です!

最初の目的地へ行く途中で東邦オリビン工場株式会社の前に通って、まだ活躍中の砕石場だと学びました。砕石された石が様似町のあちこちで見られます。

一番目の目的地はジオサイトA3「ゴヨウマツ記念碑」でした。ゴヨウマツは本州中部から北海道南部にかけて分布しています。ここの群落は北限の自生地として、国の天然記念物に指定されています。

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ゴヨウマツの特徴の一つは、一般的な松葉は二本に枝分かれしていますが、ゴヨウマツは5本の松葉があります。ジオサイトA3の周囲はナキウサギの生息地です。ふつうは標高1500mを超える山々に生息していますが、ここは標高わずか50mで見かけることができるという世界中でも珍しいところです。ナキウサギは非常に警戒心が強いため、残念ながら本物を見ることはできませんでした。次に河原まで降り、幌満かんらん岩の起源や、どうしてかんらん岩がすべての岩石の母体であると考えられているかについて学びました。

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二番目の目的地はジオサイトA6「幌満川稲荷神社」に立ち寄りました。ここでは稲荷神社の歴史とキツネとの関係についてガイドさんからの説明を聞きました。古代日本は仏教じゃなくて、アニミズムでした。アニミズムというのは自然界の物に(植物・動物・石など)に神を宿っているとする考えです。稲作が盛んになるにつれてコメを食い荒らすネズミとかを捕ってくれる生き物として、キツネが神として大切にされました。それゆえに、キツネは正一位という古代の高い位を与えられて、神という扱いに変わっていきました。キツネの大好物は油揚げと言われていましたので、油揚げを使った寿司は「稲荷寿司」と呼ばれています。その話をしながら、ガイドさんは参加者に用意した稲荷寿司を配りました。

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幌満川稲荷神社は1936年に「日高電灯株式会社」によって建てられました。日高電灯は日高地方の海岸沿いの町のために川の水を利用して発電する水力発電所です。

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稲荷神社の後はジオサイトA7「幌満ダム(第3発電所堰堤)」に行きました。幌満ダムは幌満かんらん岩体の端にあり、ここで景色が大きく変化するので分かりやすいです。晴れたら、日高山脈もよく見えますが、残念なことに、雲が眺めを遮ったので代わりに写真で見ました。地面の構成は固いかんらん岩から柔らかい斑レイ岩や変成岩に変化します。

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ガイドさんは地層の図解を使って、北アメリカプレートとユーラシアンプレートが衝突して山脈が成り立つ際、北アメリカプレートが突き上げられるようになりユニークな垂直方向の地層がつくられたということでした。ダムに立つと広尾岳を見て、地球の上部マントルの中から地表を見るような地質が広がっており、湖の向こうを眺めながら何百万年前に地形が作られた大陸プレートの様々な様子が想像できます。

ガイドさんが英語の写真や図解を使っていたので、説明はわかりやすかったです。
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ジオラボアポイ岳に戻る途中で、ジオサイトA2「旧オリビン採石場下の河原」に寄りました。ここで参加者に安全めがね、軍手とハンマーを配って、河原の岩石の中身が見えるように割らせてもらいました。浸食された岩石の外側は見せかけで、綺麗な鉱物組成を見ることには割るしかありません。適当な岩石を選ぶのは楽しかったです。最後に、参加者は素敵な標本を見つけました!

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2020年06月19日

盗掘防止パトロールに行ってきました

北海道日高振興局と連携して定期的に実施しているパトロールに参加してきました。

私が参加したのは、先月以来約1カ月ぶりです。

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あいにくの天気でしたが、馬の背から下を見ると雲海となり、これはこれで綺麗です。
(標高2000mです、と言ったら信じてもらえそう)

1カ月経つと咲く花もすっかり様変わりします。見かけた花をいくつか紹介します。

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エゾコウゾリナ


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アポイヤマブキショウマ


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エゾルリムラサキ


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キンロバイ


これらの花はこれからの花期なので、しばらくは楽しめるかと思います。

当日は、吉田岳からの幌満お花畑経由で回ってきたので、結構くたびれました。

運動不足なのか、歳のせいなのか(両方なのか...)

今日から移動制限が緩和されて、アポイ岳への登山を計画されている方もいらっしゃるかと思いますが、間隔の確保など新型コロナウイルス感染拡大防止について、引き続き適切な対応をお願いします。(クド)

2020年06月05日

インバウンド向けフットパスモニターツアーを催行しました

5月23日に、ジオパーク周辺地域に住んでいるALT(外国語指導助手)と一緒にフットパス様似八景コース・外国人向けのモニターツアーを行いました。新型コロナウイルス感染症対策のためにALT5人、ガイドさん2人、ジオパークスタッフ2人、通訳者1人で、少人数で回りました。このツアーの目的は外国人へのガイド対応研修や外国の方向けのアクティビティの模索、通訳とガイドの連携確認など沢山ありました。


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前の週はいい天気の日が多かったのですが、残念ながら当日はは寒くて雨も降りました。天候がよくなかったので、フットパスは歩けずに車で移動することになりました。


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最初に行った場所は観音山でした。ふもとに駐車して、歩いて登りました。ガイドさんは歩きながら咲いている花の種類をどれぐらい見つけることができるか、参加者の皆さんに挑戦してもらいました。観音山はスプリング・エフェメラル(春の妖精)が見られることでとても有名です。


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上に着いたあと、もう一人のガイドさんから観音山の歴史と地名の由来の説明がありました。現在の地名「観音山」は安置された33の観音石像に由来します。


展望台に上り、そこから海岸から少し離れた海上にある「親子岩」の成り立ちや、アイヌ伝説の説明を聞きました。親子岩はプレート衝突の影響でできたすき間にマグマが入り込み、それが冷えて固まってできました。その固まった岩が隆起して、波などに削られて今の形となったものです。

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次に等樹院に立ち寄り、寺の歴史、そして住民と町のつながりを学びました。日本の仏教の教えも踏まえた話を聞きながら、住職の奥様が出してくれたお茶とお菓子をいただきました。その後で、親子岩をよく見るために親子岩ふれあいビーチに寄って、それからおやき店に行って、美味しいおやきを食べました。

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ツアーの終点は、エンルム岬でした。この陸繋島は親子岩と同じようにマグマが冷えて固まってできたものです。まずはエンルムの裏に行き、ギザギザな形の崖と周辺の港を眺めました。最後に岬に登り、エンルム岬が天然の港となったおかげで様似町の成り立ちに結びついていることを学びました。

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天気が悪かったのは本当に残念でしたが、幸いに参加者の皆さんに「楽しかった」と言ってもらい安心しました。(D)

2020年06月01日

各施設が再開しました:ジオパークビジターセンター

北海道でも緊急事態宣言が解除されたことに伴い、アポイ岳ジオパークでも施設の開館を順次再開しています。

ビジターセンターは5月27日(木)から開館しています。

*滞在時間は30分以内とし、手指消毒やマスク着用の御協力をお願いします。


さて、6月30日まで特別展としてヒダカソウのパネル展示とともに、当初は花の実物展示を予定していましたが、残念ながら休館期間中に花期が過ぎてしまいました。(パネルは月末まで展示しています。)

今のヒダカソウはこんな感じです。

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もう実を結んでいますね...。


ただ、アポイ岳ジオパークではヒダカソウ以外にもアポイ岳の高山植物保全のため、様々な種の育苗を行っており、現在は、アポイアズマギクとアポイクワガタをビジターセンターでも見ることができます。


〇アポイアズマギク

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〇アポイクワガタ

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皆様のお住まいの地域における要請、呼びかけを踏まえて当地へも足を運んでいただければと思います。(クド)

2020年04月28日

ヒダカソウが開花しました!

4月に入って寒い日が続いていたので、足踏み状態でしたが、ついに4月26日に開花しました!

ヒダカソウ_200426.JPG

現在、4輪咲いています。

花は野生だと10日ほど咲くようですが、栽培環境やあるいは受粉すると変わるのかよく判っていないとのこと。

これから実際にどうなるかを見ることができるのは楽しみでもあります。


ビジターセンター休館中のため、実物をお見せできないのは残念ですが、これから咲く株もあるので今後もレポートしていきます。(クド)

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