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2021年04月09日

幌満峡バイオトイレオープン&幌満峡の四季

幌満峡バイオトイレ(ジオトイレ)が今年もオープンしました。

幌満峡はトイレがありません。バイオトイレもご活用いただき、幌満峡を楽しんでいただければと思います。きれいに使っていただけるととてもうれしいです。

○設置場所:幌満峡にある幌満川稲荷神社前

○開設期間:41日~11月下旬頃(積雪前まで)

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トイレは、幌満峡にある幌満川稲荷神社前にあります。

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トイレ外観

<幌満峡の四季>

(1)初夏

新緑の森かんらん岩の渓谷(20175月下旬の写真)

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(2)秋

紅葉の幌満峡(201510月下旬の写真)

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遡上する鮭を目の前で見ることができます。(20189月中旬の写真)

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(3)初冬

幌満ダムの先に見える雪景色の日高山脈広尾岳(202012月上旬の写真)

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2021年03月16日

第4回インバウンド向け冬登山モニターツアー

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二月ごろ、4回目の外国観光客向けのモニターツアーアポイ冬登山を行いました。今回は2人の参加者、2人のガイド、1人の通訳者と1人のジオパークスタッフがいました。参加者は冬登山をしたことがないので、登山口へ向かう前に靴に付けるアイゼン(スパイク)が渡されました。この季節には登山道は凍った状態ですので、安全に登るためにアイゼンを付けました。スパイクは自分の足に引っかからないよう少し広げて歩くようにガイドさんに注意されました。

1合目に向かって歩く間に、ガイドさんはこれから通る森について説明しました。アポイ岳の下半分は針広混交林です。ガイドさんはいろいろな異なるマツを次から次に指さしました。突然「トントントン」という音を聞いて、頭上を見回すとガイドさんが高い木の上にいるクマゲラを見つけてくれました。

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登山道は完全にアイスバーンでした!氷はとても分厚くて、凍った滝の上を登っている感じでした。5合目までは森が防風林のように強い風から守ってくれていたので、登ると身体がすぐポカポカになりました。ガイドさんは途中で熊が掘った穴や鹿の角で削った木を示してくれました。鹿に樹皮がすっかり食べられた倒れた木も発見しました。

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5合目までの道のりの2/3ところで、ガイドさんは周りの地形が特別に変わっていることを示してくれました。ここから登山道沿いに大きいなかんらん岩の露頭が突然地面から出てくるのが見られます。

その後、すぐに5合目の山小屋に到着しました。山頂へ出発する前に長い休憩を取りました。山小屋から出ていくと森林限界線の上に出ると、快晴な天候であったにもかかわらず、すぐに風が強まりました。その後、どんどん登ると様似や太平洋の美しい眺めが目の前に広がれました。雪に覆われた山と、光る青い海の鮮烈な対比は素晴らしかったです。6合目に近づくと、ガイドさんはハイマツとキタゴヨウが、自然交配して出来たハッコウダゴヨウを教えてくれました。登山道は雪で埋もれていましたが、様々なかんらん岩があらわになっているところがいくつか見えました。

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登山道沿いに小さい「スノーローラー」という雪まくりを見つけました!斜面を雪の塊が転がり、自然に雪玉が形勢されるという、雪崩の前兆とも言われているとても珍しい現象だそうです!

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やっと7合目先の「馬の背」、今日の目的地に到着しました。ここからは、様似町の谷や日高山脈、アポイ岳の頂上がよく見えます。ガイドさんは日高山脈の成り立ちや突き上げられた地上がどのように不思議なアポイ山塊を形勢するようになったかを説明しました。風が次第に強まってきたので、5合目の山小屋へ降りて昼ご飯にすると決めました。

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昼が終わったら森を通って下山しました。ガイドさんは、第4休憩所に寄って、小川に生息している冬眠中の日本ザリガニ(絶滅危惧種)を見せてくれました。登山口に近づいた時、エゾシカの群を発見しました。最初は少し離れたところに2匹のみを見ましたが、そのうち、3匹になり、5匹も現れました!今回の登山は素敵なエンディングでした。

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(D)

2021年02月03日

今冬もジュエリーアイスがやってきました

昨年に比べると雪も多いし、寒さも厳しい冬を迎えているアポイ岳ジオパークです。

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観光案内所の入る様似駅も先週かなり雪化粧しました。

(事務局(様似町役場)的には雪かきが発生するのですが...)

「駅」としては最後の冬です。

さて、昨冬もジュエリーアイスの記事を書きましたが、1月末も強い西風が吹いたので、

2月1日に親子岩ふれ愛ビーチへ行ってみると沢山の氷が打ち上がっていました。


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去年見つけた時より、数も多いし、大きいですね。

なぜ西風がポイントかというと、氷の供給元になる川(海辺川/うんべがわ)の河口が砂浜の西側に位置しているからです。

今日は立春ですが、まだまだ寒い北海道、また西風が吹いたら見に行ってみようと思います。(クド)


昨年のブログ記事

2020年12月07日

りゅうぐうからのカプセルに「かんらん石」は入っているのか?

126日未明、小惑星探査機はやぶさ2を離れたカプセルがオーストラリア南部の砂漠にたどり着きました。6年にわたる長旅からの地球帰還です。カプセルには、地球と火星の間を回る小惑星「りゅうぐう」で採取した砂が入っていると言われています。これが含まれているとすると、月よりも遠い場所の地中の砂を持ってくるという世界初の快挙です。

探査機はやぶさ2の大きさは、1.5m立方くらい。こんなに小さな体で、目では見ることができない宇宙のかなたにある小惑星「りゅうぐう」まで行って、地球に戻ってきたのですね。おかえりなさい。そして、いってらっしゃい。別の小惑星への到着は20317月頃のようです。

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宇宙つながりということでエンルム岬と星の写真

ところで、約10年前のアポイ岳ジオパーク(様似町)も、先代「はやぶさ」の帰還に盛り上がっていました。先代「はやぶさ」のカプセルに入っていたものが「かんらん石」などを含んだ岩石の粒子だったのです。当時のアポイ岳ジオパークブログをご覧ください。

https://www.apoi-geopark.jp/blog/2010/12/post.html

その後、詳しく調査が進み、とある様似町のかんらん岩と成分がそっくりであることがわかっています。

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写真は、かんらん岩の渓谷・幌満峡の幌満ダムからの景色。ダムの奥には雪景色の日高山脈の広尾岳が見えます。

りゅうぐうの砂は、私たちの住む太陽系のはじまりのときの姿を教えてくれることでしょう。りゅうぐうの砂に「かんらん石」が含まれているかどうかも気になるところです。12月中旬には、どれくらい採取されたのかがわかるようです。今後が楽しみです。

最後に、はやぶさ2と同じように宇宙からやってきた「コンドライト隕石を見てみよう」講座を行いました。その様子を広報さまに12月アポイ岳ジオパークトピック&ニュースからもご覧ください。(ジオ美)

http://www.samani.jp/koho/

2020年10月29日

第3回インバウンド向け様似山道モニターツアー

10月中旬に3回目の外国観光客向けのモニターツアーを行いました。前回までのツアーは、車で各サイトを回って行った行動と比べて、今回のツアーでは歴史的な様似山道をハイキングすることにしました。今回は4人の参加者と1人のガイドと1人の通訳者がいました。

朝9時に幌満コミュニティーセンターで参加者と待ち合わせをしました。登山口へ向かう前に近くにある和助地蔵を訪ねました。和助氏は様似山道開削に大いに尽力だそうです。その孫になる方は函館大経という方で、日本競馬のパイオニアであるとのお話を聞きました。次に、東入り口に向かう途中に「念仏坂」について話しました。「坂」と言っても、ただの坂ではありません。非常に険しい坂ですが、様似山道ができる前はこの地域を通るために、恐ろしさから念仏を唱えながら坂を登ったそうです。

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やっと東入り口に着いてハイキングを開始!最初のところを上がると1個目の碍子を見つけました。様似山道は明治時代に電信電話線の作業道にも使用されていた道です。山道沿いに碍子と電柱があちこちに見えます。碍子には電機会社のロゴマークがついているものがあり、参加者はいくつの異なるロゴマークを見つけることが出来るか探してみるように言われました。

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「山エツ」は愛知県瀬戸市に所在する山悦電機製陶株式会社(1886~)


森の中に入っていると、開けた場所が目の前に広がっていました。ガイドさんは参加者になぜここに木がないのでしょうか、と尋ねました。いくつかの答えが出されましたが、どれも正しくありませんでした。実は、様似山道ができる前に地元の人がここの崖の上で農業をしていたからだそうです。農業のために道具を背負って念仏坂を上下することを想像できますか??

山道を進むと、ルランベツの沢、様似山道で最も標高の低い場所に着きました。沢を渡り、反対側に登るためのロープが設置されています。少し難しかったですが、皆さんは無事に登ることが出来ました。

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沢からちょっと離れていくと分かれ道があり、右に曲がると日高耶馬渓の素晴らしい眺めが見渡せます。崖と美しい青い海を眺めることが出来ました。

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展望台から一時間くらいで、原田宿跡に到着しました。ここで長い休憩を取って、参加者が持参したお弁当を食べました。皆さんが食べ終わったら、ガイドさんは原田宿について説明したり、3年前ぐらいに発掘調査を行ったことを話したりしました。現在にも時々、地面の上に当時をお茶わんの欠片などが見つけられます。

原田宿跡からコトニ入り口までは1時間で、途中でいくつかのの沢を渡りました。様似山道の沢名はアイヌ語から由来しています。コモマモナイの沢はアイヌ語で枯葉の多いところという意味で、オホナイの沢は深い沢の意味です。

山道の終わりころに、ガイドさんは木にある爪の跡を指さしました。その爪跡は木の上までずっとありました。これは熊が木の実を取るために木登りをしたということです。「心配しないで、これは古い爪跡ですよ。」とガイドさんは言いました。

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4.5時間のハイキングの後、いよいよ出口であるコトニ口に到着しました!様似山道は不思議な道で、現在の道路ができる以前にこの地域をどうやって旅したのかを体験できる道です。

(D)

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