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2012年03月09日

アポイの希少植物を残していくには...

先日、町教育委員会主催のふるさと文化セミナーがあり、おじゃましてきました。

文化セミナー様子.jpg

内容は、道内の希少植物保全の取組みを知って、アポイ岳の高山植物をどう後世に残していくかを考えるというもの。講師は、さっぽろ自然調査館の丹羽真一さんです

文化セミナー垂幕.jpg

道内でも、開発行為や盗掘などによって危機にさらされてきた希少植物ですが、近年はそれよりも植生遷移(なんらかの理由で植生そのものがかわってしまう)やシカなどの害が大きいとのこと。アポイ岳と同様ですね。

文化セミナースライド2.jpg

アポイ岳でも、盗掘など防ぐためのパトロールや踏みつけを防ぐ登山道整備などに、地元ファンクラブががんばってきましたが、近年は温暖化と思われる植生遷移に向き合って再生活動にも取り組んでいます。

文化セミナースライド1.jpg

昨年、静岡大学の増沢教授の計らいで実施した、エゾコウゾリナとアポイアズマギクの苗作り講習会。各家庭で順調に育っているようで、5月にアポイ岳再生地への植え付けも予定されています。

文化セミナー丹羽さん.jpg

学生時代から、アポイ岳に深く関わってきた講師の丹羽さん。植物のスペシャリストとしてこれからもアポイをよろしくお願いします。

こうしたさまざまな人たちのかかわりで進められている、アポイの自然保護。ジオパークでも、アポイに限らずさまざまな様似学をやっていますが、気をつけているのは「楽しむ」こと。こうした催しや活動に、自分の楽しみの一つとして気軽に参加してもらえたらうれしいです。地元のにいちゃん、ねえちゃん、じっちゃん、ばっちゃん、チラシ見たらぜひ足運んでネ。(タク)

2012年03月05日

野田村の福来(ふく)豚食べて福呼んで...

今日は、ホテル・アポイ山荘の宣伝を少し…。現在、アポイ山荘では、ポークステーキを楽しむ「春のトントンまつり」が行われています。

トントン会場.jpg

今年の豚は、様似町と姉妹町村で、東日本大震災でも甚大な被害を受けた岩手県野田村の「南部福来豚」。天然ミネラルが豊富な海藻粉末やゴマなどの特別な餌で育てられたスペシャルポークだそうで、震災支援の意味も含めて3週にわたって実施中です。

トントン・サラダバー.jpg

会場では、300gのポークステーキに加え、いつもながらのフリーのサラダバー。

トントン・チョコフォンデュ.jpg
トントン・ケーキ.jpg

さらに、チョコフォンデュやフルーツ、シメの一口ケーキも食べ放題ですヨ。

トントン・肉.jpg

もちろん、主役のポークくんもたいへん美味しかったです。トントンまつりは、この後、9日(金)~11日(日)と16日(金)~17日(土)の5日間開催される予定。上記メニューで2,000円で、飲み放題プランもあります。お友達やご家族とたまにはこんな贅沢も楽しまれてはいかがですか?(タク)

2012年03月03日

十勝アイヌとの戦に勝利した一夜城

今朝起きてみると、「おや、おや…」。ひな祭りなのにボタ雪が降っていました。

3月の朝雪(原田家から).jpg

これは多少積もるのかしらと思っていたら、意外にもすぐに止んで、陽が高まるにつれ春らしい天気となりました。夕方近くの親子岩も日に照らされてこのとおり。

斜陽の親子岩.jpg

そういえば、冬になると分かる観音山西側のつづら道を撮ろうと、西町生活館横のホタフンペのてっぺんへ…。

ホタフンペからの観音山.jpg

丘の上は雑木だらけで見通しがあまりきかなかったのですが、カシワの木によじ登ってなんとか撮影。車で国道を走っていても気づくのですが、観音山の斜面に雪で書いたつづら道が見えるのです。

ホタフンペからの観音山アップ.jpg

分かりますか?今でも西町の人はこの道使っているのかしら?町では様似市街をめぐる「フットパス様似八景コース」でこの道をルートにしているんですよ。

ところで、撮影場所の「ホタフンペ」。その昔、観音山(ソピラヌプリ)に陣を張って、エンルム岬の十勝アイヌと対峙した様似アイヌが一計をめぐらせ、ここに一夜にして「鯨に似せた砂山」を築いたとの伝説が残されています。

ホタフンペからのエンルム岬.jpg

たしかに、ここからは真正面にエンルム岬が望めるんです。もちろん、この小山は砂でできているわけでなく、「ひん岩」というエンルムや親子岩と同じ岩石でできているのですが、十勝アイヌとの戦場というのは、あながちウソとも言い切れない気がします。

こんな見方で様似の街を歩いてもおもしろいかも…。さて、そんな遠い昔から現在に戻って、役場前では大型工事が着々と進行中です。

ツルヤ鉄骨組み.jpg

この場所には、本町時代から数えて約70年地域医療を支えた、様似(太田)病院があったのですが、その跡地に民間ホームセンターがオープンすることとなり、工事が急ピッチで進められています。

鵜苫にも、新たなコンビニができるとかで、様似の市街地も時代の波にさらされ変わらざるを得なくなっているようです。

ハクチョウ戦隊飛行.jpg

こちらは、毎年変わらずやってきてくれるハクチョウくん。

ハクチョウとアポイ.jpg

様似の冬には欠かせない役者の一人です。(タク)

2012年02月29日

高校生作成のアポイ岳とジオパーククイズ

昨日、地元様似高校の3年生から、アポイ岳クイズが出来上がったので、進呈したいとのお電話をいただきました。

アポイ岳クイズ表紙.jpg

これは、昨年12月の「様似高校課題研究発表会」で発表されたアポイ岳研究で、調査の結果をやさしいクイズ形式にまとめたもの。発表の模様は、このブログでも紹介しているので、あとでぜひのぞいてみてください。(画面右側に掲載時期の検索があるので、2011年12月で検索してください。17日付のブログです。)

アポイ岳クイズ第1問.jpg

クイズは全部で10問ですが、そのうちの何問かをご紹介。まず、最初はアポイ岳といえば定番問題。もちろん、みなさんは分かりますよネ。

アポイ岳クイズ第1問答え.jpg

そう!低い山なのに、冷涼な気候が高山植物相をつくっているのです。もちろん、かんらん岩も大きく影響していますが…。

アポイ岳クイズ第8問.jpg

さらに第8問では、ジオパークの目的が問題です。もちろん、これも大丈夫ですよネ。

アポイ岳クイズ第8問答え.jpg

ジオパークはただ守るだけでなく、それを積極的に活用するところが特徴です。

アポイ岳クイズ第10問.jpg

さて、最後の第10問目には、調査をした生徒さんの想いが問題となっています。

アポイ岳クイズ第10問答え.jpg

まさに、生徒さんたちの想いと同様、アポイ岳ジオパークは様似町のすばらしい自然や文化を私たち自身が見つめ直し、外にどんどんアピールしていこうという取り組みなのです。

様高課題発表6班.jpg

「色んなアポイだけ」と題したこの課題研究は、山下さん(左)・中村さん(中央)・小田さん(右)の3人が取り組んだもの。このために、昨年はアポイ岳に計4回登り、しかもそのうちの1回は日の出を撮影したくて未明からアタックしたそうです。そのガッツに敬意を表しながら、ジオパークを取り上げてくれたことに感謝を申し上げます。ありがと~!

ところで、話はまったく変わりますが、北海道人×ジョブキタのサイトで、「北海道ご当地キャラ応援団」というのをやっていて、全道各地のご当地キャラが掲載されています。そこに我が、アポイちゃん&カンランくんも載っているのですが、実は「ガンバレ数」のクリックチャージで目下最下位なのです。ぜひ、下記URLを開いて、2人を応援してくれ~。(タク)

http://www.hokkaido-jin.jp/character/ 

2012年02月27日

国の名勝になった襟裳岬を見に行くはずが...

昨日、お隣のえりも町さんで行われた、「国指定名勝 ピリカノカ 襟裳岬(エンネエンルム)学習会」に行ってきました。

えりもピリカノカ講演1.jpg

「ピリカノカ」とは、アイヌ語で「美しい」「形」を意味する言葉ですが、国の指定名勝が少ない北海道に着目した文化庁が、アイヌの物語や伝承、祈りの場、言語に彩られた優秀な景勝地として、道内7か所を指定したもので、そのうちの一つにえりも町の襟裳岬が選ばれたとのこと。

えりもピリカノカ講演2.jpg

北海道文化財保護協会理事で苫小牧市文化財審議会会長の山本融定さんが、「アイヌ民族の歴史と文化」と題して講演をされました。ところで、指定された襟裳岬はどの部分を指すかというと、岬の崖から海に沈みゆく岩礁の部分なのだそうです。

えりもピリカノカ講演資料.jpg

岩礁の一つ一つにはアイヌ語の名前があり、伝承もえりも町史に残されているとのこと。岬へ行って雄大な景観を楽しむだけでなく、そうした伝承を紹介するのもジオ的視点ですネ。

ところで、講演は午前中で昼食をはさんで、実際に襟裳岬や百人浜へのバスツアーもあったのですが、急きょ都合が悪くなり講演だけで失礼することに…。でも、せっかくえりも町まで来たので、オープンしたばかりのえりも漁組の直売所をのぞいてきました。

えりも漁組直販所内部.jpg

建物は、内外装ともきれいに改修されて気持ち良かったです。中では、昆布製品があるのはもちろん…。

えりも漁組直販所昆布.jpg

サケなどの加工品も豊富に並べられていました。

えりも漁組直販所加工品.jpg

また、日曜で活魚はありませんでしたが、ウニやホタテ、毛ガニ、真ツブなどの貝類も低価格で販売されていました。

えりも漁組直販所ウニ他.jpg

日曜日とあって、ワタクシのいた10分ほどの間にもけっこうのお客さんが出入りしていて、順調なスタートを切っているようでした。様似でも数年前から期間限定で農産物や海産物を販売する「エンルム市場」を開設しています。おたがい競争しながらどんどん地場産品を売り出していければいいですネ。(タク)

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