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2011年09月17日
馬牧場...馬鹿牧場...イイエ、完全に鹿牧場
今日から早稲田大学の学生さんが様似町に巡検に入るのですが、そのコースの下見に先日様似ダムの上流に行ってみると、あれあれ…。
通行止め…。最近の大雨で土砂崩れが起きてしまったようです。
「えっ、もしや?」と、多少うろたえたのは、ここにアポイ岳ジオパークのジオサイトの一つ、「チャート」の露頭があるのです。
土砂崩れ手前の岩肌が、チャートの露頭。岩盤だけあってなんとか無事でした。「チャート」は、南の海で放散虫と呼ばれるプランクトンが堆積して固まったものが、長い年月をかけてプレート運動によって日本まで運ばれてきたもの。近くの石灰岩の露頭とともに、日本列島の成りたちの物語を紹介する場所としてジオサイトに選んでいるのです。
そのチャートの露頭のすぐ隣はご覧のとおり。ジオサイトは、不変ではなく大雨や地震、風化などで姿を変えてしまうもの。その保全にも意を用いていく必要があります。
ところで、通行止めにより来た道を引き返し、様似ダム下の牧草地に出ると…。
そこには、まだ日が高いというのに、オスメス合わせて30頭は下らないエゾシカの群れが…。牧草地はもちろん、軽種馬(サラブレット)のためのものですが…。
馬が放牧されているところに、鹿が進入していることは珍しくなく、「馬鹿牧場」などど揶揄していましたが、これでは完全に「鹿牧場」。エゾシカ対策、緊急の課題です。(タク)
2011年09月16日
アポイ岳情報11:9/15
前回(7/30)からだいぶ間が空いてしまい、全国のアポイ岳情報ファンのみなさま?にはご心配??をおかけしました。8月にも一度雨の中アポイに登ったのですが、途中から豪雨になってしまい降りてきてしまったため、ブログでお知らせするほどの情報を持って帰ることができませんでした。
さて、今日は様似町とは長くお付き合いいただいている北海学園大学の佐藤謙教授とその学生さんたちの野外実習にお邪魔して、一緒に登ってきました。私自身約一月半ぶりのアポイ、わくわくしながら登山開始です。
登山口を過ぎ、さっそく出迎えてくれたのはヒダカトリカブト。この花を見ると、いつも映画「エイリアン」を連想してしまいます。
ダイモンジソウ。5枚の花びらの形が「大」の字に似ているからだそうです。
ハクサンシャジン。ツリガネニンジンの高山型です。
カンラン岩に咲くヒダカミセバヤ
ミヤマワレモコウも見ごろを迎えています。
授業の一環なので、ところどころで佐藤謙先生の講義があります。彼らは札幌に戻ってからレポート提出が義務付けられているということで、真剣に聞いています。
ここでも学生たちは全員熱心にメモを取っている…かと思いきや、よく見ると左端の彼だけがメモ帳を広げていません。もしやここにきて単位放棄か? 実はこのとき、彼には生理的非常事態が発生していて、メモどころではなかったのです。この後、茂みに駆け込み、戻ってきた彼の顔はなぜかすっきりしていました。この間、彼がどこで何をしてきたかは、彼の名誉のために秘密にしておきましょう。
9合目付近、最後の心臓破りの坂を登る学生たちの背後には太平洋のパノラマが広がり、様似の市街地やエンルム岬もくっきりと見えていました。
今日はとても天気が良く、5合目の気温はなんと25℃。様似では真夏の気温です。しかし、暑いと言ってももうすでに9月。ほら、アポイの花シーズンを締めくくる花コハマギクが咲き始め、「アポイにも秋が来ているよ」と教えてくれました。
(krmd)
2011年09月15日
エキ弁、いかぁっすかあ~
まだ列車が移動手段の主役だった頃、お昼の主役は今のようなコンビニ
ではなく「駅弁」でした。旅の途中、列車の中でフタを開け鼻と目を楽しま
せた後、おもむろに味わう。
車窓からの風景と同時に味わう駅弁は旅の思い出をさらに楽しくするものでした。
時代は変わり、列車で移動するお客さんそのものが減ったいま、当然駅弁を売っ
ている駅も数えるほどとなりました。いまではデパ地下の催事で売られるくらい
でしょうか。むしろ空港で買える「空弁(そらべん)」の方が一般的だったりして…。
そんな状況を打破しようとこの様似にも駅弁が登場しました。ひとつは既に定
番商品であるマルサンくどう商店が提供する「潮風弁当様似産つぶめし」です。
こちら灯台ツブがたっぷり入った醤油味のまぜご飯作りで、おかずが無くとも箸
がどんどん進みます。価格は480円で、管内某ホテルのライバルつぶ弁当の
半額となっています。
「みな様に」でも1か月足らずで100個を売り上げる人気商品、
もちろんくどう商店でも買えますので、売り切れの際には西町でどうぞ。
もうひとつは最近デビューしました「真つぶのおにぎり弁当」です。
(今ならお試し価格500円。真ツブが入ってこの値段はお得)
こちら醤油味の黒むすびと塩味の白むすびが入りさらにおかずが4品ついてます。なんと
いっても贅沢に真ツブを使っているのがPRポイントで、さらに様似産の昆布をまぶし、
さまに色を前面に出した弁当となっています。
この強力2大弁当、ぜひ「みな様に」ご賞味していただきたい!
(302)
2011年09月13日
せっかくのメーゲツも天気に恵まれず...
今日、東北大学(土屋教授)の学生さん20名ほどが地学巡検で役場前のかんらん岩広場にやってきました。土屋先生は、毎年お越しいただいていて、去年は町民向けの講演も引き受けてもらいました。
アポイ岳調査研究支援センターに宿泊しながら、日高東部のフィールドを巡る予定で、その最初にこの広場でお勉強というわけです。学生さんたちは、クリノメーターと透明メッシュシートを手に、鉱物の数を一生懸命数えていました。
がんばれ!学生さん。
ところで、今日も午後から雨ですが、昨日は中秋の名月のはずがあいにくのお天気。「十五夜お月さん、見ては~ね~る。」とはいかなかったですね。しかし…
ワタクシのコンパクトデジカメとコンパクト三脚を駆使し、顔中蚊に刺されながらなんとか撮ったこの1枚。意気込みは買ってね。(タク)
2011年09月12日
観音山の自然を取り戻せ!
2日前の9月10日、アポイ岳ジオパークのジオサイトの1つ観音山で外来種オオハンゴンソウの駆除作戦が行われました。
この黄色い花がオオハンゴンソウ
オオハンゴンソウは北米原産ですが、明治時代に園芸用として持ち込まれたものが野外に広がり、現在では本州中部以北を中心に広がっています。ここ様似町も例外ではなく、この時期、あちらこちらで一面の黄色いお花畑が広がっているのを目にすることができますが、そのほとんどがこのオオハンゴンソウの大群落です。
ただ生育するだけならそう大きな問題ではないのですが、このオオハンゴンソウ、豊かな自然が残っているようなところにも好んで侵入し、もともと生育していた他の植物たち(在来種)を追いやってしまうという、とても困ったヤツなのです。
オオハンゴンソウには罪はありませんが、人間が持ち込んでしまった以上、人間が責任を持って対処しなければということで、今回、貴重な自然が残る観音山での駆除作戦とあいなった訳です。この作戦、日高信用金庫創立90周年記念事業地域ボランティア活動の一環として、同信金様似支店の主催、アポイ岳ファンクラブの協力で実施されたものです。
これが駆除前の観音山の状況(ごく一部)。画面いっぱいオオハンゴンソウ。
当日は30名ほどが参加、みなさん次々と抜き取っていきます。
信金の女性陣も奮闘中。
抜いたオオハンゴンソウはまとめて運び出します。この一抱えだけで100本はあるでしょう。
作業開始から約1時間後、このとおりオオハンゴンソウはすっかり姿を消しました。
これで一件落着? 残念ながら答えはノー。というのも、このオオハンゴンソウ、抜くときにたった数グラムでも根がちぎれて残ってしまうと、そこからクローン再生し、いつかまた花を咲かせてしまうという恐ろしい植物なのです。さらには、この地面の下には莫大な数の種が眠ったままでもあります。そのためオオハンゴンソウの駆除は、最低3年間は継続しなければ効果はないと言われています。
この日の成果は、軽トラックてんこ盛り一杯分。でも、観音山の貴重な自然を取り戻すための闘いは今始まったばかり。みなさん、大変ご苦労さまでした。そして来年、再来年もがんばりましょう!
(krmd)